「海外在住100万人の国民審査権奪うな」 在外邦人の投票、夏までに憲法判断へ 最高裁大法廷で結審

2022年4月20日 20時38分
最高裁大法廷

最高裁大法廷

 海外に住む日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは違憲だとして、米国に住んでいた映画監督想田そうだ和弘さんら5人が国家賠償などを求めた訴訟の上告審が20日、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)で開かれ、結審した。一、二審は違憲と判断しており、大法廷は夏までに憲法判断を示すとみられる。
 国政選挙の在外投票は、2006年の改正公選法で比例代表だけでなく小選挙区でも認められたが、衆院選と同時に行われる国民審査の法整備は進んでいない。最高裁が違憲判断をすれば法制化は必至だ。
 原告側は、17年の国民審査で在外邦人有権者が投票できなかったのは、審査権を侵害し違憲だとして提訴。19年5月の一審東京地裁は違憲として賠償を命じ、20年6月の二審東京高裁も違憲と認めたが、賠償請求は退けた。
 弁論で原告側は「国は印刷が間に合わず、国外で国民審査ができないというが、こんなつまらない理由で民主主義の根幹に関わる権利が奪われてはいけない」と強調。法改正し、国政選挙と同様に氏名を記入する方式にすれば対応できると訴えた。国側は「世界中の国に用紙を送付するのは事務手続きに要する日数を考えると不可能」と主張した。
 原告4人の意見陳述もあり、原告で代理人も務める谷口太規弁護士は「海外にいても多くの人たちはこの国のことを真剣に考えている。海外に住む100万人以上の国民審査権を奪ってはいけない」と述べた。(小沢慧一)

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