かんぽ不正 郵政3社長、引責辞任 日本郵便など行政処分

2019年12月28日 02時00分

行政処分を受け、記者会見する(左から)日本郵便の横山邦男社長、日本郵政の長門正貢社長、かんぽ生命の植平光彦社長=27日午後、東京都千代田区で(木口慎子撮影)

 かんぽ生命保険と日本郵便による保険の不正販売問題で、金融庁は二十七日、両社に新規の保険販売を三カ月間停止させる業務停止命令を、親会社の日本郵政を含めた三社に業務改善命令をそれぞれ出した。総務省も同日、日本郵政と日本郵便を行政処分した。これを受け、日本郵政の長門正貢社長(71)ら経営トップ三氏が引責辞任を表明した。
 辞任するのは長門氏と、かんぽ生命の植平光彦社長(63)、日本郵便の横山邦男社長(63)で、いずれも来年一月五日付。郵便局を舞台にした不祥事は郵政グループ首脳の一斉退陣に発展し、長門氏は記者会見で「このような事態を招いたことを深く反省し、お客さまをはじめ関係者の皆さまに深くおわびする」と謝罪した。
 後任は、日本郵政が政府の「郵政民営化委員会」委員長を務めた増田寛也元総務相(68)に決めた。かんぽ生命は千田哲也副社長(59)を昇格させ、日本郵便は衣川和秀日本郵政専務執行役(62)を充てる。増田氏は旧建設省(現国土交通省)、千田氏と衣川氏は旧郵政省(現総務省)の出身。
 このほか、二十日付で辞任した前総務次官から行政処分案を聞き出していた日本郵政の鈴木康雄上級副社長(69)と、日本郵便の高橋亨会長(64)も辞任する。これ以外の三社の役員は来年一~六月までの間、月額報酬を5~40%減額したり、自主返上したりする。
 金融庁が郵政グループに業務停止命令を出すのは、二〇〇七年の民営化以来、初めて。処分にあたり、顧客に事実と異なる説明をして保険料を二重に支払わせるなどの違法な行為六十七件を認定した。かんぽ生命などが七月から自粛を続けている保険の販売は、来年三月までの停止を求めた。来年一月末までに業務改善計画を出させ、再発防止に向けた態勢を整備させる。
 一方、前総務次官による行政処分案の漏えい問題を巡り、日本郵政はこの日の記者会見で、調査を打ち切ることを明らかにした。 (渥美龍太、大島宏一郎)

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