「病院行けず母亡くなった」 都市封鎖長引く上海 ゼロコロナ政策、専門家からも見直しの声

2022年4月21日 22時12分
中国・上海市の仮設病院でのコロナウイルス検査=AP

中国・上海市の仮設病院でのコロナウイルス検査=AP

 【北京=白山泉】新型コロナウイルスの感染拡大で都市封鎖が長引いている中国・上海で、コロナ感染以外の理由で亡くなる事例がインターネット上に書き込まれている。感染者を徹底して追跡、隔離する「ゼロコロナ」政策による移動制限で緊急の治療を受けられないケースなどが増えているためだ。こうしたなか感染症対策の第一人者、鍾南山しょうなんざん氏がゼロコロナ政策の継続は困難との論文を発表するなど、専門家から見直しを求める声が出ている。
 上海在住の経済学者、郎咸平ろうかんへい氏は交流サイト(SNS)で、腎臓を患った98歳の母親が病院にかかる前にPCR検査を求められ、結果待ちの間に亡くなったと明かし、「1本注射すれば良かったが、厳しい対策を求められた。防げる悲劇だった」と述べた。自身もコロナ対策により居住区域から出るのが遅れ、最期の別れもできなかったという。
 ネット上にはコロナ対策が原因で亡くなった人を弔う文章も投稿。厳しい感染対策が敷かれた結果、ぜんそくの発作や透析の治療が受けられなかった事例や、うつ病の薬が切れて自殺した人などの情報が書き込まれたが、その後削除された。
 呼吸器学者の鍾氏の論文は今月6日、中国科学院が発行する英字科学誌「国家科学評論」に、呼吸器疾患の専門家との共著で「来たるべき時代の再開に向けた戦略」と題して発表。「ゼロコロナ政策は感染の防御に効果を発揮してきた」と評価しつつも「社会と経済発展を正常化し、世界的な動きに合わせていく上で、長期的に追求することはできない」と指摘した。
 一方、国家衛生健康委員会の馬暁偉ばぎょうい主任は「コロナ対策の成果を打ち立て秋の共産党大会を迎える」とゼロコロナ継続を訴えた。

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