プーチン大統領が「マリウポリを事実上制圧」宣言 市民残る製鉄所は「封鎖せよ」

2022年4月21日 21時49分
21日、モスクワのクレムリンでショイグ国防相㊨と会談するプーチン大統領=ロシア大統領府提供、AP

21日、モスクワのクレムリンでショイグ国防相㊨と会談するプーチン大統領=ロシア大統領府提供、AP

 ロシアのプーチン大統領は21日、3月1日から包囲攻撃を続けてきたウクライナ南東部の港湾都市マリウポリが「解放された」と主張し、事実上の制圧を宣言した。ウクライナ兵が籠城し、市民の避難場所にもなっているアゾフスターリ製鉄所に突入する掃討作戦の中止を命じる一方、封鎖を徹底するよう軍に命じた。
 マリウポリでの勝利を演出し、街の掌握を既成事実化することで、東部ドンバス地域の制圧を急ぐ狙いがあるとみられる。マリウポリの市長顧問は「単に勝利宣言したいだけだ」とSNS(交流サイト)で陥落を否定。一方、ゼレンスキー大統領は、フランスのテレビ局の取材に「マリウポリの包囲を軍事的に解くのは不可能だ」と劣勢を認め、ロシア軍によるウクライナ侵攻は開始2カ月を前に重大局面を迎えた。
 プーチン氏は21日、ショイグ国防相と会談し「マリウポリのような要衝で軍事作戦が成功した」と祝福。ショイグ氏は、製鉄所に立てこもるウクライナ内務省の軍事組織「アゾフ連隊」の制圧には3、4日間を要すると説明したが、プーチン氏はロシア兵の犠牲が出ないよう掃討作戦の中止を命令。一方で「ハエも通さないように製鉄所を封鎖せよ」と語った。

◆人道回廊「ロシア軍の妨害で市民脱出できず」

 ウクライナのベレシチューク副首相によると、製鉄所地下では食料や水が欠乏する中、約1000人の民間人と500人の負傷兵が生活しており、人道危機が深刻化する恐れがある。ロシア軍は19日、20日に市民が退避するための「人道回廊」を設置したと主張するが、ウクライナ側は「ロシア軍の妨害で市民は脱出できていない」と説明している。
 ロシアでは「欧州をナチスから解放した」とする第二次大戦の対独戦勝記念日を5月9日に控え、ドンバス地域の制圧が最優先の課題となっている。ウクライナの報道によると、ロシアはマリウポリでの戦勝記念イベントを計画している。

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