<東京2020延期>ビッグサイト 都の借り切り延長? 五輪報道拠点、設備撤去できず

2020年4月3日 02時00分

来年まで都が借り続ける見通しとなった東京ビッグサイト。左奥が東展示棟=東京都江東区で、本社ヘリ「おおづる」から

 東京五輪・パラリンピックが来年夏に延期となり、報道拠点のメディアセンターとなる「東京ビッグサイト」(東京都江東区)は、一般の利用休止が続く見通しとなった。既に内装工事などが進んでいるためだが、ビッグサイトは国内最大規模の民間展示場として需要が高く、今冬以降は多くのイベントが予定されていた。施設を借り続ける追加賃料に加え、巨額の補償料発生の可能性もある。 (岡本太)
 「設置した設備はスケジュール的に撤去できない。そのまま残しておくことになるだろう」。大会のためビッグサイトの借り主となっている都の幹部が、苦しい表情で漏らす。
 ビッグサイトに四つある展示場のうち最大の東展示棟は、昨年四月から今年十一月まで借り切り、メディアセンターとして大掛かりな内装工事を行ってきた。
 利用が予想されるメディアは約二百カ国の約八千人に上る。放送用ケーブルを敷設したり、仕切り壁を設けたり。競技の様子を世界に発信する特設スタジオもほぼ完成している。都幹部によると、来夏の大会開催に向け、設備をいったん取り壊し、造り直す時間的な余裕はない。
 ビッグサイト側は「大会後」となるはずだった今年十二月から、一般利用を再開する予定だった。既に二〇二二年三月分までの予約を受け付けており、数百件のイベントが中止や延期、会場変更などの影響を受けそうだという。この中には約七十万人が来場するコミックマーケットや、東京モーターショーも含まれる。
 工作機械メーカーのアステック(東京都八王子市)は、今年十二月上旬の国際工作機械見本市に出展予定だった。金属などに微細な穴を開ける精密機械の製造で独自の技術を持つが、従業員十九人の中小企業のため、営業は見本市での商談が中心だ。担当者は「十万人超の来場者を見込める貴重なビジネスチャンス。中止になればかなり痛い」と話す。
 こうしたイベント予約のキャンセルの対応について、ビッグサイト側は「検討中」と話す。ただ、参加を予定する企業などは既に準備を進めており、巨額の補償料が発生する可能性がある。
 東京大会の関連施設では指折りの大きさのビッグサイトは、賃料も莫大(ばくだい)だ。東展示棟は通常、一日当たり約二千七百万円で、一年間の延期なら単純計算で約百億円になる。
 ビッグサイトは都の関連団体が運営しているため、都は「通常よりは安くしてもらっている」(担当者)というが、相当な追加出費となるのは確実だ。
<東京ビッグサイト(東京国際展示場)> 東京都江東区有明にある日本最大級の展示場。都が施設を所有し、都の関連団体の民間企業が独立採算で管理運営している。展示面積は仮設を含めて約14万平方メートルで、最も大きい東展示棟は8ホール計約6万6000平方メートル。見本市や展示会など年間約300件のイベントが開かれ、2018年度は1407万人が来場した。

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