「ロシア軍はナチスのよう」…東欧で侵攻象徴の「Z」マーク禁止 戦争犯罪支持者は国籍はく奪も

2022年4月22日 20時03分
 ウクライナに侵攻したロシアのプーチン政権を、第2次大戦中にヒトラーが指導したナチス・ドイツと同一視する見方が、旧ソ連に組み込まれていた複数の東欧諸国で拡大している。民間施設への無差別攻撃や虐殺を行うロシアへの危機感が高まっていることが背景にあり、モルドバでは、ロシアの軍事作戦を象徴する記号を禁じる法律も成立。ロシア政府は反発しており、各国との緊張が高まっている。

◆「正義の象徴」として使われるリボンやZマークを問題視

モスクワで2019年5月9日、ゲオルギーリボンを胸に付けて行進するプーチン大統領(中央)=ロシア大統領府公式サイトから

 モルドバのサンドゥ大統領は19日、ロシアで侵攻作戦をたたえる象徴「Z」「V」のグッズや、ナチズムに対するロシアの勝利を意味する「聖ゲオルギーリボン」を配布したり、公の場で使うことを禁じる法案に署名した。違反した市民や企業には罰金を科す。
 インタファクス通信によるとサンドゥ氏は、ロシア軍の行動をナチスになぞらえ「ナチズムとの戦い(第2次大戦)が欧州に戻ってきた」と説明。ロシア軍が病院などを無差別爆撃したマリウポリなどを例に、ゲオルギーリボンやZが「正義の象徴」として使われていることを問題視した。
 ロシアのプシュコフ上院議員はこれに対し「ゲオルギーリボンを敵とした国々は、歴史のごみ箱に入れられたことを思い出せ」と、サンドゥ氏をどう喝した。モルドバではソ連崩壊後、親ロ派の分離独立勢力が自称「沿ドニエストル共和国」を樹立し、ロシア軍が現地に駐留している。

ウクライナ侵攻のシンボルであるZマークの脇を行進するロシアの子どもたち(ロシア国内で、AP)

 ロシアのプーチン大統領は「ロシア系住民をネオナチ的なウクライナ政府から解放する」と主張しているが、ロシア軍による略奪や住民の殺害が相次いで報じられており、「非ナチ化が真に必要なのはロシア」(ラトビア外相)との認識は広がる一方だ。

◆国内に多くのロシア系住民、ロシア側の政治宣伝を警戒

 英BBC放送によると、ウクライナ侵攻前にゲオルギーリボンを禁じていたのはウクライナとラトビアだけだったが、今週に入ってモルドバのほかエストニア、リトアニアでも禁止する法律が成立した。
 ラトビア議会は21日、戦争における犯罪行為を金銭面や宣伝行為で支援する市民に対し、ラトビア国籍を剥奪する法改正案を賛成多数で可決した。対象となるのは二重国籍の市民だけで、国内で約25%を占めるロシア系住民への適用を想定している。
 旧ソ連に組み込まれていた東欧諸国ではロシア系住民が多く、ロシアの政治宣伝に敏感にならざるを得ない状況。一方、ロシアは東欧をナチスによる占領から解放したのは旧ソ連の盟主であるロシアだとして、東欧諸国の対応に反発している。

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