ジュゴン、沖縄2島に生息か 海草食べた跡を環境省が確認

2020年4月1日 16時00分
 環境省は三十一日、絶滅の恐れが極めて高いジュゴン=写真=が海草を食べたとみられる跡を、沖縄県の伊良部島と波照間(はてるま)島の沿岸で初めて確認したとの調査結果を発表した。姿を捉えることはできなかったが、二島周辺が生息場所になっている可能性が高いとみている。
 ジュゴンは日本で沖縄だけにすむが、名護市辺野古(へのこ)の米軍基地建設区域近くに長年、生息していた個体が姿を消すなど、生息が確認できない状態が続き、絶滅の懸念が出ていた。環境省は「継続した調査が必要だ」としている。
 環境省は二島沿岸で今年二月と三月、小型無人機ドローンによる空撮と潜水調査を実施した。その結果、伊良部島ではジュゴンが海草を食べたとみられる筋状の跡六十四本と、跡の密集域八カ所を見つけた。新しい跡も古い跡もあった。住民への聞き取りでは、二〇一九年八月ごろから今年三月にかけて、計四件の目撃情報があった。
 波照間島では、筋状の跡が四本、鮮明に残っていた。密集域も三カ所発見した。いずれも比較的新しいとみられる。
 一方、辺野古に近い嘉陽海域では、食べた跡が毎年見つかっていたが、今回初めて確認できなかった。
 ジュゴンは沖縄島周辺で三頭の確実な生息が分かっていたが、昨年三月に雌一頭が死んでいるのが見つかった。
 米軍基地建設前から嘉陽海域に定着していた雄一頭と、辺野古周辺でたびたび目撃された一頭は確認できない状態が続く。防衛省は基地建設の影響を否定するが、環境団体は工事で生息環境を脅かされたと指摘する。
 環境省はこの二頭と、今回見つかった海草の痕跡との関連は分からないとしている。

沖縄県・伊良部島沿岸で見つかったジュゴンが海草を食べたとみられる跡=環境省提供

◆基地建設やめ藻場保全を

<日本自然保護協会の安部真理子さんの話> 沖縄のジュゴンは確実な生息情報が途絶えており、今回、海草を食べたとみられる跡が確認されたのはよかった。沖縄島では見つからなかったが、ジュゴンがいないと決めつけず、頻繁に調査するべきだ。基地建設が進む辺野古沿岸には沖縄島で最大規模の海草の藻場がある。今後ジュゴンが使うかもしれないため、基地建設をやめて保全しておくことが重要だ。

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