鎌倉市 埋蔵文化財の保管倉庫代・月284万円 市予算から捻出 搬送費4000万円も

2022年4月23日 07時30分

鎌倉市が埋蔵文化財の保管のために借りている倉庫=厚木市で(いずれも鎌倉市教育委員会提供)

 NHK大河ドラマに沸く鎌倉市が、古都ならではの課題に直面している。宅地開発などで出土した埋蔵文化財を市内で保管できなくなったため、厚木市の倉庫を借り、その賃料が月額二百八十四万九千円かかるからだ。鎌倉から厚木への搬送費用も四千万円。国の補助制度がないため市の予算から出さざるを得ず、歴史が市民の肩に重くのしかかる。(石原真樹)
 市が所有する埋蔵文化財の量は、縦六十センチ、横四十センチ、高さ十〜二十センチほどの大きさの整理箱で約四万箱分。多いのは器の破片で、ほかに木製の箸やおわん、皿などがあり、毎年三百〜八百箱増える。整理したものの一部は、鎌倉歴史文化交流館や鎌倉国宝館で展示するが、展示に適さない小さな破片も多いという。
 市はこれまで、同市梶原の野村総合研究所跡地にある建物に保管してきたが、跡地の利活用が決まり、新たな保管先を探すことになった。量が多いため使っていない市の施設などでの保管は難しく、入札の結果、厚木市の倉庫を借りることに。昨年十二月から賃料を支払い、文化財を少しずつ搬送している。倉庫は当面五年間の契約という。
 埋蔵文化財は「貴重な国民の共有財産」(文化庁)だが、保管のための倉庫賃料や搬送の費用に国の補助制度はない。市の担当者は国に要望していきたいとしつつ「倉庫は空調や湿度管理ができる良さもある。整理を進め、展示などで市民に還元したい」と話す。

埋蔵文化財を使った展示=鎌倉歴史文化交流館で

◆県内他の自治体 公共施設など活用

 埋蔵文化財の所有量が多い県内の他自治体では、使われなくなった学校など公共施設に保管用の棚を作るなどして対応している。
 鎌倉市に次いで所有量が多い横浜市は三万箱で、保管は旧市立野七里小学校を整備した市埋蔵文化財センターなど三カ所。一万箱の小田原市は、文化財課が管理するプレハブの建物など四カ所と、水道局と市立図書館の一部を間借りしている。
 貸倉庫を使っているのは平塚市。一万二千箱のうち旧福祉施設と旧公民館に入りきらない分を市内の倉庫に保管しており、賃料は年間二百五十万円という。
 藤沢市の収蔵庫は旧給食調理場など二カ所で、十年以上かけて文化財の再整理を進め、六千四百箱まで圧縮したという。「文化財が一つ二つしか入っていない箱もあり、業務の合間にかなり整理した」と担当者。今後十〜二十年は増え続けると想定、今のうちに空きスペースを確保している。
 四万箱を所有する県は、県埋蔵文化財センター(横浜市南区)と分室の二カ所に収蔵。分室は、箱根町の旧温泉地学研究所(一九九八年度まで)、平塚市の旧農業総合研究所(二〇〇二年度まで)を経て、現在の旧県立野庭高校(港南区)に落ち着いた。

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