今夏の参院選茨城選挙区 連合が堂込氏を擁立 立民と国民が推薦、候補一本化

2022年4月23日 07時47分
 連合茨城は二十二日、立憲民主党、国民民主党両県連と県庁で共同記者会見を開き、今夏の参院選茨城選挙区(改選数二)に連合茨城執行委員の堂込(どうごみ)麻紀子氏(46)を擁立すると発表した。堂込氏は無所属で立候補し、両党が推薦する。両県連はそれぞれが公募を行い、独自候補擁立を模索してきたが、連合を媒介することで旧民主党・民進党系の「分裂選挙」は回避。ただ、立民には「国民色」が強い堂込氏を支援することに不満もくすぶる。(長崎高大、保坂千裕、宮尾幹成)

拳を合わせて参院選での連携を確認する(左から)浅野哲氏、内山裕氏、堂込麻紀子氏、青山大人氏=県庁で

 堂込氏は阿見町出身。流通経済大卒業後、一九九八年にジャスコ(現イオンリテール)に入社し、二〇〇七年から労働組合専従となった。現在は国内最大の組合員を抱える流通業や繊維業などの産業別労組「UAゼンセン」県支部の運営評議員。会見では小売店で長年勤務した経験に触れ、「生活者に近い立場で、労働者の代表として国政の場で発信していきたい」と抱負を語った。
 連合茨城の内山裕(ゆたか)会長は、両県連との協議を重ねた末、二十一日の執行委員会で堂込氏擁立を正式決定したと報告。「支援する政党が(立民と国民の)二つあり、傘下の各組織でも支持政党が違う状況を乗り越えるためには、無所属として真ん中の位置で選挙に臨みたい」と話した。
 立民は二十一日に堂込氏の推薦を決定済み。国民も党本部に推薦を申請しており、近く決まる見通しだ。堂込氏は「当選後にどちらかの政党に所属するつもりはない」と述べた。過去に政党に所属した経歴もないとしている。
 茨城選挙区では、自民党現職の岡田広氏と立民現職の郡司彰氏が、ともに今期限りでの引退を表明。自民は元県議加藤明良氏(54)を公認し、公明党も二十一日、同氏の推薦を決定した。共産党は元県議大内久美子氏(72)を擁立。日本維新の会は、過去の国政選挙の候補者を軸に独自候補の選考を進める。

◆立民と国民の独自候補公募 手続き自体、雲散霧消

 茨城選挙区を巡っては、立憲民主党と国民民主党の両県連がそれぞれ公募による独自候補の選考を進めていたが、無所属の堂込麻紀子氏をともに推薦することになり、公募手続き自体が雲散霧消した。
 農相や参院副議長を歴任した旧民主党・民進党系の重鎮、郡司彰氏が昨年十一月に改選不出馬を表明したのを受け、両県連は後継候補の公募に着手。一月中の締め切りまでに、立民の公募には党所属県議の設楽(しだら)詠美子氏ら五人が手を挙げた。県連が候補者発掘を目的に開いている「立憲いばらき政治塾」の受講生も応募。国民の公募には医師ら二人が名乗りを上げた。
 だが、いずれの公募も結論を出さないままの幕引きとなった。二十二日の記者会見で、国民県連の浅野哲代表は「このままお互いが候補者を出してぶつかり合えば、これまでの議席を守り続けることができない可能性が高いと判断した」と理解を求めた。
 立民の公募は、複数の県連関係者によると、設楽氏に内定していたという。設楽氏は「後援会は『それなら公募などしないでほしかった』と落胆していた」と困惑気味に打ち明けた。
 一方、国民では「連合とけんかしてはいけない」との声が当初から優勢だった。独自候補擁立を早々に諦めたことに、県連関係者は「公募はパフォーマンスだった」と残念がった。

◆「間違っている!」幹事会紛糾 独自候補断念の立民県連

 「それは間違っている!」。立憲民主党県連が十五日、水戸市内のホテルで開いた常任幹事会。二時間四十分にわたって激しい応酬が繰り広げられた。
 議題は、茨城選挙区で郡司彰氏(県連顧問)の後継として独自候補を立てるのか、それとも国民民主党との一本化を前提に連合茨城が推す候補を支援するのか。郡司氏と青山大人(やまと)県連代表は、連合の候補を支援する線で合意を取り付けようと諮った。
 だがこの時点で、「連合の候補」が堂込麻紀子氏との情報は既に広まっていた。堂込氏の出身母体のUAゼンセンは国民支援の産業別労働組合(産別)。とりわけ旧国民と合流前の旧立民出身者や社民党からの移籍組には、日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働問題など、立民が重視する政策で折り合えるのかとの懸念があった。
 国会で政府の当初予算案に賛成するなど、与党との距離を縮める国民への不信感も根強く残っていた。ちなみに郡司氏は無所属を経て新立民に参加しており、青山氏は旧国民出身だ。
 幹事会では、「一人区ならまだしも、二人区なのだから独自候補を出すべきだ」などと異論が噴出。議論は平行線で、この日は決着が付かなかった。
 翌十六日に仕切り直した末の結論は、独自候補擁立の断念。出席者によると、採決の結果は賛成五人、反対三人。一人は採決自体に反対して退席した。
 反対した一人は「議論が進むにつれ、いくら抵抗しても、連合と連携するしか選択肢がない状況になった」と嘆きつつ、「こうなった以上は(堂込氏を)全く応援しないと県連の信頼を落とす。応援するしかない」と淡々と語った。
 堂込氏を立民と国民で支える案が「党本部の意向」として示されたのは今月七日だったという。ある常任幹事は「協力が必要だという意図は分かるが」と前置きした上で、「公募が片付いていない状況で、明らかに進みすぎだった」と苦言を呈した。

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