東電が4月25日から海底の掘削準備に着手 福島第一原発の処理水放出で

2022年4月23日 12時32分
 東京電力は22日、福島第一原発の汚染水を浄化処理後に海へ放出する計画を巡り、25日から沖合1キロの海底に設ける放出口の掘削に向けた作業を始めると発表した。原発が立地する福島県と大熊、双葉の両町の了解が必要ない範囲の工事を先行させ、来年春の放出開始を目指して準備を本格化させる。

福島第一原発の処理水 1~3号機原子炉に注入した冷却水が事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れ、建屋に入る地下水や雨水と混ざって発生する汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した水。取り除けない放射性物質トリチウムが国の排出基準を上回る濃度で残る。政府と東京電力は、大量の海水でトリチウム濃度を排出基準の40分の1未満に薄めて海へ流す計画を進めている。

 放出口は水深13メートルの海底に、高さ10メートル、幅9メートル、長さ12メートルの鉄筋コンクリート製の箱状の設備を埋め込み、海底トンネルとつなげて処理水を海中に放出する。準備工事では設備を入れる穴を掘削。25日に作業船を係留する重りを海へ沈め、27日から掘削作業を始める。7月上旬に掘り終わるという。並行して、トンネルを掘るシールドマシンも準備する。
 東電は、敷地内の護岸で放出前の処理水をためる立て坑についても、設備を入れる穴の掘削は準備工事とみなし、深さ16メートルの穴を3月に掘り終えた。
 東電の計画では、主に放射性物質トリチウムが残る処理水を大量の海水で薄め、トリチウム濃度を国の放出基準の40分の1未満にした後、海底トンネルを通じて沖合に放出する。
 海洋放出の設備計画は、原子力規制委員会の審査が事実上終わった。今後、認可されれば地元の3自治体は東電との協定に基づき、着工を了解するかを判断する。(小野沢健太)

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