相模原殺傷 死刑が確定 植松被告が控訴取り下げ

2020年3月31日 02時00分
 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら四十五人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われて横浜地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けた元施設職員植松聖(さとし)被告(30)が三十日、控訴を取り下げた。同日が控訴期限のため、死刑が確定した。
 植松被告は判決後の二十四日、接見した本紙記者に「二審、三審と続けるのは間違っている」「(弁護人が)控訴しても速やかに取り下げる」と話したが、弁護人が二十七日に控訴していた。
 公判は一月から計十七回開かれた。事実関係に争いはなく、争点は刑事責任能力の有無や程度に絞られていた。弁護側は大麻の乱用で心神喪失だったとして無罪を主張したが、判決は、犯行に計画性があったなどとして完全責任能力を認定。「十九人もの人命が奪われた結果は、他の事例と比較できないほど甚だしく重大」として求刑通り死刑とした。
 判決によると、植松被告は二〇一六年七月二十六日未明、やまゆり園に侵入し、入所者の男女を刃物で突き刺すなどして十九人を殺害、二十四人に重軽傷を負わせた。結束バンドで縛るなどした職員二人にもけがをさせた。 
  (丸山耀平)

◆遺族ら「反省と謝罪を」

 植松聖被告の死刑が確定し、遺族らはそれぞれの思いを明かした。十九人の犠牲者のうち初公判前に名前を公表した美帆さん=当時(19)=の母は「死刑が確定しても被告の考えが変わったわけではありません。自分の考えが間違っていたことを反省し、命を奪った人に謝ってほしかった。このような悲しい事件が二度と起きないよう国や社会全体で考えてほしいと思います」とコメントを出した。
 姉=当時(60)=を殺害された男性(61)は「裁判が終わるまで、被告の一言一言に惑わされてきた。刑の確定で、そういった日がなくなる。過ぎた日は戻ってこない。私にとってはすべて済んだと思う。平穏な毎日が戻ってきた」とコメント。殺害された男性=当時(43)=の母と姉は「判決から不安な気持ちで過ごしましたが、刑が確定すると聞き、本当にほっとしました」とコメントした。
 重傷を負った尾野一矢さん(47)の父剛志(たかし)さん(76)は「被告は、死刑執行の時まで遺族や被害者家族の言葉を受け止め、反省しながら過ごしてほしい」と話した。

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