ベア個人差 拡大要求検討 トヨタ労組、士気向上狙い

2019年12月27日 02時00分
 トヨタ自動車労働組合は二〇二〇年春闘で、賃金を底上げするベースアップ(ベア)にあたる賃金改善分について、組合員の実績や取り組みに応じてメリハリをつけて配分するよう会社側に要求することを検討する。労組から求めることで、電動化や自動運転といった業界の大変革期に対する問題意識を経営側と共有し、賃金や働き方の改善につなげたい考えだ。
 トヨタのベアの配分は、従来も人事評価に基づいて組合員間で差があった。今回は、評価に応じた配分の範囲や程度を拡大することを求め、組合としても組合員のやる気や能力を高めていくことを狙う。今後、要求方法の詳細を議論し、来年一月下旬の評議会で提案する。
 トヨタの春闘は、会社側が一八年、グループや系列各社に横並びを脱却して独自の交渉を促す意図などから、ベア回答額を非開示とする方針に転換。一九年には、組合もベア要求額を明示せず交渉する方式にあらためた。
 一方、会社側は交渉で一律の賃上げを見直したい意向を表明。三月の妥結時には冬の一時金を回答せず、十月に労組が求めた満額で決着するまで交渉を継続するなど、労使で変革期の働き方や報酬のあり方を模索している。
<ベースアップ(ベア)> 基本給の水準を一律に引き上げる賃上げ手法。勤続年数や年齢に応じて上がる定期昇給や、業績を反映して柔軟に増額、減額できるボーナスと区別される。賃金体系全体を底上げするため、恒常的な人件費の増加要因となり、経営側は実施に慎重となる傾向がある。ベア額は業績や物価の上昇などを参考に決めている。

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