<新型コロナ>来てますテレワーク

2020年3月30日 02時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請が行われる中、自宅などで仕事をするテレワークが広がっている。東京都も30日から、新型コロナ対策や東京五輪・パラリンピックに関連する職員を除く都庁本庁舎の全職員がテレワークを行うと決めた。一方、政府の専門家会議から感染拡大を防ぐために「避けるべき場所」の一つとされ利用客が減るカラオケボックスを、テレワーク用オフィスとして使う動きもある。(奥野斐、浅野有紀)

◆「日常業務困らない」けど「切り替え大切」

 「事前にビデオ通話などの準備をしていれば、会議や打ち合わせなどの日常業務は困らない。ただ、印鑑や手書きのサインがいる書類など紙ベースの仕事はストップする。できないことをどうするかの判断や工夫が必要」。二月から在宅で仕事をする東京都内の女性会社員(37)は話す。
 都内のサービス業の財務部署に勤務。この時期、決算や事業計画を作るなど繁忙期だ。午前九時前、リビングテーブルにパソコンを置き、画面上で短文をやりとりする「チャット」に「始めます」と打ち込み、同僚らと連絡を取る。会議室で資料を投影して行うプレゼンテーションは、パソコン画面を共有してビデオ通話でできる。ただ、練習していないと、接続できない人も。「普段からチャットやビデオ通話に慣れていない人は厳しいかも」
 化粧をせずに済み、楽だが、自宅で子どもに邪魔されることもあった。女性は「長期間になるとつらい。会社の方が集中できる」。
 別のIT企業で三十人ほどのソフトウエアエンジニアを抱える管理職の男性(36)は今月上旬から十日間、テレワークをした。「チームのコミュニケーションが密になるなど、意外にいいことがあった」と語る。
 事前にすべき業務や、会議をビデオでやるかチャットでやるかなどのルールを決めた。「ビデオ会議だと、声を出して相づちや返事をしないと間が持たないし、参加しているか分からない。皆が会議に集中して質疑応答が増えた」という。同僚らとビデオ通話を使った「リモート飲み会」をした時は家族も加わり、普段と違う一面が見られた。
 一方、片道約一時間の通勤時間に本を読み、気分転換していたが、在宅勤務で読書量は減った。「テレワークは、仕事に入る切り替えがより大切だと実感した」と話した。

◆カラオケ店を利用「思った以上に快適」

 企業の急速なテレワークへの切り替えを後押ししようと、カラオケボックスの期間限定の格安プランも登場した。「カラオケの鉄人」を展開する鉄人化計画(東京都目黒区)は二十七日、四月十日までの期間限定で、平日の開店時から午後七時に個室が使い放題の「テレワークパスポート」を発売した。
 同社は二〇一八年に月額制の歌い放題プランを導入。仕事場として使う客も多かったため、専用の料金プランを考案中に新型コロナの感染が拡大した。ツイッター上では、突然会社から在宅勤務を指示され「子どもがいると集中できない」「家にWi-Fiがない」という声であふれた。
 こうした層をターゲットに、都内と神奈川県内の五十二店舗でパスポートを販売。九百八十円(税抜き)で、フリードリンク付き、Wi-Fi完備。仕事に集中できるよう、パスポートでの予約時はカラオケ機が利用できない。
 二十七日に利用したIT企業社員の男性(29)は「電源が多く、周囲を気にする必要もなくて思った以上に快適」と満足顔。結婚相談所経営の男性(49)は「カラオケ店は駅近にあるので、移動の合間に利用しやすいし、会議室を借りるより断然安い」と社員や取引先にも利用を勧めている。
 一七年から一部店舗でビジネスプランを始めた「ビッグエコー」を展開する第一興商(品川区)は、昨年十月に約五百の全店に広げた。「オフィスボックス」一時間六百円(同)からで、プレゼンテーション用にパソコンとテレビ画面をつなぐケーブルやホワイトボードを貸し出す店舗もある。
 今月六日から一時間五百円(税込み)からの「おしごとパセラ」を始めた「カラオケパセラ」を展開するニュートン(新宿区)担当者は、「カラオケの個室で仕事という概念が少しずつ浸透し始めている」と話している。

「仕事場としての快適さを知ってほしい」と話す鉄人化計画の担当者=東京都世田谷区で

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