栃木県佐野市ゆかりの日本画家・王欽古の代表作など86点展示 吉沢記念美術館

2022年4月25日 07時10分

大作「獅子図幕」を解説する末武さとみ学芸員=佐野市で

 佐野市ゆかりの日本画家、王欽古(きんこ)(本名・加藤欽古、1830〜1905年)の企画展が、地元の吉沢記念美術館(葛生東)で開かれている。上方由来のレパートリーに関東の流行を取り入れた画風で、芸術に理解がある地域性にも支えられて活躍した王の作品や関連資料86点を紹介している。
 京都出身で、中国風の名を名乗った王。故郷で四条派に学び、日本各地を遊歴。田沼宿(現在の佐野市)の加藤家を相続して同地で画業にいそしみ、中国の絵画様式に由来する南画で優れた作品を多数残した。山水や人物画を得意とし、佐野出身の歴史画家・小堀鞆音(ともと)らとも交流があった。
 代表作の「獅子図幕」(1882年作)は、高さ2メートル超の大作。めでたく華やかなボタンの花や手まり、獅子の目の力強さなどは京都風、力強いタッチの風景描写は関東風で王作品の魅力が伝わる。
 末武さとみ学芸員は「これほど多くの王作品を一堂に展示するのは初めて。郷土画家の実力を楽しんでほしい」と話していた。
 会期は5月8日まで。原則月曜休館。
 問い合わせは同館=電0283(86)2008=へ。(梅村武史)

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