処理水放出の海底トンネル掘るシールドマシン設置 認可も自治体の了承もまだ…準備は着々 東電福島第一原発

2022年4月25日 19時18分
 東京電力は25日、福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理後に海へ放出する計画を巡り、沖合1キロの放出口まで海底トンネルを掘る「シールドマシン」を発進場所に設置した。放出に向けた設備計画は原子力規制委員会の認可前で、立地自治体による着工の了承も得ていないが、東電は同日の記者会見で「工事に向けた準備。問題ない範囲は先行して進める」と説明した。

福島第一原発の処理水 1~3号機原子炉に注入した冷却水が事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れ、建屋に入る地下水や雨水と混ざって発生する汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した水。取り除けない放射性物質トリチウムが国の排出基準を上回る濃度で残る。政府と東京電力は、大量の海水でトリチウム濃度を排出基準の40分の1未満に薄めて海へ流す計画を進めている。

 東電は24日から準備作業を始め、シールドマシン(直径約3メートル、全長約7メートル)を発電所の港に搬入。25日、港湾部に造った海底トンネルを掘り始める立て坑(深さ16メートル)底部に置いた。すぐにでも着工できる状態となった。トンネルは放出する水を一時的にためる立て坑と、沖合の放水口をつなぐ。
 25日には放水口を造る準備も開始。29日にも海底の掘削を始める。

台車で運ばれるシールドマシン。4月25日に構内の立て坑底部に設置された=東京電力福島第一原発で(東電提供)

 規制委による設備計画の審査の議論は終わったが、東電は内容を踏まえて修正した計画を規制委にまだ提出していない。国民から意見公募をしてからの認可は6月以降になる見通しで、トンネル掘削の着工には福島県と大熊、双葉両町の了解も得る必要がある。(小野沢健太)

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