登山を甘く見ないで 初心者の遭難が年々増加 GW前に県警が注意喚起

2022年4月26日 07時59分

棒ノ嶺の危険箇所にロープを張る山岳救助隊員。低山でも遭難の恐れがあるとして注意を呼び掛けている=県警提供

 埼玉県内で山岳遭難が増えていることを受け、県警は多くの登山者が訪れるゴールデンウイーク(GW)を前に、「低山に登る場合でも服装や非常食、防寒グッズなどの準備をして、登山届も出してほしい」と注意を呼び掛けている。(杉原雄介)
 県警地域総務課によると、昨年の県内の山岳遭難発生件数は八十二件(前年比二十四件増)。遭難者数は九十一人(同二十人増)で、うち死者は十一人(同三人増)だった。統計がある一九九五年以降で発生件数と死者数は最多。遭難者数も過去二番目に多かった。いずれもコロナ禍が始まった二〇二〇年から増加傾向で、同課は「密を避けられる登山の人気が高まっていることが要因」とみている。
 場所別の発生件数は棒ノ嶺(標高九六九メートル、飯能市など)十件、両神山(標高一、七二三メートル、秩父市・小鹿野町)八件、二子山(標高一、一六五メートル、小鹿野町)三件など。標高一〇〇〇メートル未満の山での遭難が四十三件と全体の半数以上を占め、同課は「低山は日帰りで登れるから大丈夫と、甘く見ないで」と注意を促す。主な遭難理由は滑落や転倒、道迷いなどとなっている。
 遭難者の年代別では六十五歳以上の高齢者が最多だったが、四十〜五十代の中高年層も少なくない。登山経験が一年未満の初心者の遭難も年々増えており、ヘッドライトや地図の不携帯といった基本的な準備不足のケースが目立つという。
 遭難した場合に備え、登山届の提出も大切だ。同課は「届け出があれば、登山計画にあるルートの周辺を重点的に捜せるので、命を救える可能性が高まる」と重要性を訴える。登山届は登山口にある登山ポストなどに出せるほか、県警ホームページから電子申請もできる。例年、遭難者の約八割が登山届を出していないという。
 同課はツイッターで遭難事例や登山時の注意事項を紹介。一〜三月には棒ノ嶺で山岳救助隊員が転倒や道迷いの多いエリアにロープを張り、注意喚起の掲示もした。「GWはまだ日陰などに凍結が残っていて、滑落や転倒につながる危険がある。ベテランの登山者も体力を過信せず、余裕を持った登山計画を立ててほしい」としている。

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