出港「船長判断が最終的」 遭難の知床遊覧船社長が初会見 土下座し「お騒がせし申し訳ない」

2022年4月27日 17時38分

船舶「KAZU 1」(知床遊覧船のホームページから)


 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=が遭難した事故で、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の桂田精一社長は27日午後、事故後初めて記者会見を行った。会見の冒頭、桂田社長は「この度はお騒がせいたしまして大変申し訳ございませんでした」と2度にわたって膝を折り、謝罪した。
 この事故は23日午後に発生。11人が死亡し、なおも15人が行方不明になっている。会見に先立ち、現地に集まっている乗客の家族への説明会も行った。
 桂田社長は会見で、事故を起こしたカズワンが2021年に船首を海上浮遊物と接触させる事故や、船尾を暗礁にこする座礁事故を起こして船体を修理していたことを明らかにした。
 桂田社長の主な発言は以下の通り。

知床半島沖の観光船遭難事故の記者会見で、土下座して謝罪する「知床遊覧船」の桂田精一社長=27日午後、北海道斜里町(共同)

◆「捜索、できるうる限りのことを尽くす」

 「この度は、当社の船舶のクルーズの中で大変な事故を起こしてしまい、亡くなられた被害者の方々および捜索中の被害者の方々に対して大変申し訳ございませんでした。亡くなられた被害者の方々のご家族、捜索中の被害者の方々のご家族に対して、大変な負担をかけております。申し訳ございませんでした」
 「現在、捜索中の被害者の方々が一日も早く見つかることを心からお祈りするとともに、当社としては捜索中の被害者の方々の捜索するために、できるうる限りのことを尽くしていく所存でございます。また当社として今後、被害者の方々のお気持ちを第一に考えて対処するとともに、事故の原因究明に向けての協力を、全力で行っていく所存でございます」

◆「海が荒れるようであれば引き返す条件付き」出港決定

 「4月23日午前8時、私は(船長の)豊田徳幸氏と当時のクルーズの打ち合わせをしております。豊田氏から、午後の天気が荒れる可能性があるが10時からのクルーズは出港可能と、報告がありました。この時点で、ウトロでは風と波も強くなかったので、海が荒れるようであれば引き返す条件付き運航ということを豊田氏と打ち合わせ、当時の出港を決定いたしました」
 「午前8時30分、他社の船長から当社の無線のアンテナが故障、屋根から外れているとの報告があり、すぐに私は9時10分くらいに業者に修理を依頼いたしました。当社の無線の故障は、携帯電話や隣3軒並んでいる他の運行会社の無線でやりとりも可能のため、出港を停止する判断はそのときいたしませんでした」

◆「私の認識では、その時は波風ともになかった」

-『多少波が高くても行かせろ』という発言をされたことはあるか。
 「正直言うと、私の大切なお客さまを、私の知人というか、が来たときにですね、知床はきれいなもので、どうしても見せたいので出れるとこまで出てくれ、と(頼んだことはある)。ただその時はやはり船長判断が最終的なので、断られました」
-『他の船が出ているのに、なぜうちは出さない』と発言したことはあるか。
 「ちょっと記憶にはございません」
ー出港をやめるよう進言があったようだが、出港を決めた理由は。
 「ウトロのその時の波の状況、風の状況を調べましたが、やはり1メートルいかないような形、風速も2メートルぐらいだったかな、そのような形のものでした。私も現場にいて見送り、また車で同じ航路を走って帰りにすれ違うような形でお見送りしましたが、通常通り問題ない」
 
 「また観光船は『天候の急変などで、不可抗力で予定地点まで到達できない場合、乗船料金は以下の通りになります』ということで、予めお伝えしてあります。これが条件付き運航というもので、午後に天気が悪くなる場合は、それを船長判断で戻ってきていただくようなことを長年やっております」
 「8時に豊田船長と本日の打ち合わせをして、私が決めました。豊田船長は、次の便は10時半に出て、11時30分には戻っております。ですので私の認識、またデータによると、その時は波風ともになかったということを調べました」

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