春の褒章 県内から12人

2022年4月28日 07時51分
 春の褒章が二十八日付で発表され、県内から十二人が受章した。業務に精励した人に授与される黄綬が三人、福祉などのために尽力した人への藍綬が九人。そのうち東部に住む二人の喜びの声を紹介する。

◆黄綬褒章 猪爪康之さん(68) 旬のもの 最高の状態で

 河津町の旅館「かね吉一燈庵(いっとうあん)」で、約十五年前から総料理長を務めている。この道一筋五十年。「料理を食べてもらって、『おいしかった、また来ます』と言ってもらえることが、今でも一番うれしい」と目を細める。
 伊東商高(伊東市)在学時、市内の旅館で調理補助をしてから料理の深みにはまり、のめり込んだ。卒業後、伊豆市内のホテルに就職。東京・銀座や京都に渡り、修業を積んできた。
 信条は「口に入れる物に関しては、全て丁寧に仕事をする」。料理の添え物になりがちな漬物にも、絶対に手を抜かない。「静岡は食材が豊富で水もうまい。旬のものを、最高の状態で提供していきたい」。伊東市。(山手涼馬)

◆藍綬褒章 富岡孝(たか)さん(87) 統計調査 何度も足運び

 国勢調査をはじめ工業、商業などさまざまな統計の調査員を四十五年務め、かかわった調査は計五十八回に上る。「協力してくれた人に感謝。少しはお役に立てたかな」と謙遜する。
 子育てが一段落した三十代のとき「社会にかかわりたい」と応募。徒歩か自転車で家を回った。共働きの増加やプライバシー意識の高まりなどで留守や回答拒否もざらだったが、「少しでも正確に」と何度も足を運び、頭を下げた。回収後も漏れや誤りがないかを確認。それだけに、発覚した国の統計不正には「腹立たしく、悲しい」と嘆く。
 腰の圧迫骨折で、一昨年の国勢調査が最後に。訪ね歩くことで「変わっていく街も知ることができた」。裾野市。(山本真嗣)

◇春の褒章受章者(敬称略)

▽黄綬褒章(3人)
猪爪康之 68 かね吉一燈庵総料理長 伊東
岩瀬喜臣 69 行政書士 静岡
和田美鶴夫 65 元遠州鉄道バス運転士 浜松
▽藍綬褒章(9人)
大石弘子 76 保護司 静岡
岡田幸子 75 保護司 掛川
笠井昌子 76 保護司 富士
小松暁子 69 調停委員 藤枝
寺西博 75 調停委員 沼津
富岡孝 87 元国勢調査員 裾野
野中秀記 51 浜松市消防団分団長 浜松
望月喜久治 74 保護司 静岡
八木弘子 76 民生・児童委員 静岡

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