「人を思いやる心を持って」講談師・一龍斎貞花さん チャリティー寄席33年目 5月3、4日に靖国会館で「靖国講談会」

2022年4月29日 06時55分

チャリティー寄席の活動を続ける一龍斎貞花さん=森松夫さん撮影、提供

 講談師の五代目一龍斎貞花さん(83)=葛飾区=が毎年開くチャリティー寄席が五月で三十三年目を迎える。仏教や更生保護など幅広いジャンルの講談を披露しては社会福祉への寄付を募ってきた。「人を思いやる心を持ってほしい」と願いながら活動を続けている。(太田理英子)
 二十九歳だった一九六八年、講談の世界にひかれ会社員から転身し、六代目一龍斎貞丈に入門した。七六年に五代目貞花を襲名して真打ちに昇進。渋沢栄一ら偉人や仏教、野球など幅広い演目を披露してきた。
 一方、保護観察所の関係者との出会いを機に、五十代で保護司として活動を開始。「更生保護の父」と呼ばれる明治期の実業家を取り上げた「金原明善(きんぱらめいぜん)物語」などの講談や、子どもの非行防止を訴える講演も精力的に行ってきた。
 九〇年に「更生保護など福祉の現状や課題を知ってほしい」と国立演芸場(千代田区)などで始めたのがチャリティー寄席だ。協賛企業の協力でオークションも行い、収益は都更生保護協会や日本訪問看護財団などに寄付してきた。
 歩みを振り返り「親しみやすい講談だからこそお客さんに伝わり、関心を持ってもらえた」と実感するという。高齢になり企画の準備は容易ではないが、常連客や福祉関係者からの期待の声に支えられている。
 今年のチャリティー寄席は五月三、四日、靖国会館(千代田区)で「靖国講談会」と題して開く。若手も加わり、貞花さんは鎌倉時代の物語「鎌倉星月夜」などを披露する。「まだ更生保護や訪問看護などの福祉の活動は知られておらず、支援が少ないのが実情。できる限り、寄席を続けていきたい」と意気込む。
 靖国講談会は前売り券千円、当日券千五百円。問い合わせは貞花さん=電03(5673)2300=へ。

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