音曲師で初! 国立演芸場 花形演芸大賞に桂小すみ

2022年4月29日 07時48分

「私がハードルを下げて、邦楽の入り口になれば」と小すみ=東京・新宿で

 若手演芸家の登竜門、国立演芸場(東京)の花形演芸大賞で、令和3(2021)年度の「大賞」が音曲師の桂小すみ(49)=写真=に決まった。大賞は過去10年でも春風亭一之輔、桂吉弥ら多くが落語家で、三味線を弾きながら端唄(はうた)、小唄などを聴かせる音曲師は初めて。「私!? と絶句しちゃいました」と驚きを隠せないが、「私がハードルを下げますので、邦楽の導入部にしてほしい」と寄席への来場を促す。
 横浜市出身。幼少からピアノを習い、中学高校は吹奏楽部でフルートを演奏。東京学芸大音楽科在学中、国費でウィーンに留学経験も。卒業後、音楽教員をしていた時に行った中国琵琶の公演をきっかけに、長唄三味線方の杵屋佐之忠(さのただ)(故人)に師事。さらに国立劇場の研修を経て寄席で囃子(はやし)を担うが、音曲師になることを決意。18年に落語家桂小文治に入門し、前座修業を経て「音曲師桂小すみ」として高座に上がる。
 高座名は、師匠の名前の「小」と、憧れた三味線漫談家の玉川スミ(故人)から。玉川には3年ほど三味線の指導を受け、客の反応を見ながら唄と三味線で作りあげていく音曲の本質を教わった。高座に上がる気はないかと強く勧められてもいただけに、「実現できてうれしかった」。
 その芸は洋楽も取り入れ古典芸をなじみやすくしているのが特長。「私が大好きなポピュラー音楽やクラシック、ボサノバなど混ぜて無理やり三味線で弾いています」と話す。子どものきょうだいげんかを題材にした自作の歌などを配信で披露もしている。 (ライター・神野栄子)

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