かんぽ、3カ月業務停止検討 増す郵政不信 厳正処分か

2019年12月22日 02時00分
 金融庁が、かんぽ生命保険と日本郵便に対し、新規の保険販売業務の三カ月間停止処分を検討していることが二十一日、判明した。金融庁は保険販売で営業目標を優先するあまり、顧客を軽視して不利益を与える重大な問題があったとみており、総務事務次官の情報漏えい問題も重なって経営トップの引責は必至だ。郵政グループへの不信感は増幅するばかりで、今後の業績への悪影響も避けられない。
 かんぽ生命の保有契約は二〇一四年三月末には三千四百八十六万件だったが、一九年三月末は二千九百十四万件まで落ち込んだ。高齢化による減少を新規契約でカバーできていない。さらに日本郵便が一連の不正販売の影響で保険商品販売を七月から自粛したため、一九年四~九月の個人保険の新規契約は五十八万件と前年同期の八十八万件から34・4%減少した。
 生命保険は死亡やけがによる損害を長期間保障するが、一度加入すれば保険は変更しないケースが多い。不正契約によるブランド価値低下や販売自粛で契約獲得の機会を逃せば、将来の業績を大きく押し下げる。保険の販売手数料は日本郵便の店舗維持にも貢献しており、販売停止の長期化は郵便ネットワークの存続に関わりかねない。
 また元総務事務次官の日本郵政の鈴木康雄上級副社長が、鈴木茂樹総務事務次官から不正販売に関する行政処分案について、情報漏えいを受けていたことが判明。高市早苗総務相は二十日、鈴木次官を停職三カ月とする懲戒処分を公表し、鈴木次官は二十日付で辞職した。
 日本郵政の長門正貢社長を含む、かんぽ生命と日本郵便三社長の引責辞任は不可避だが、合わせて漏えいに関わっていたかどうかの説明責任も迫られそうだ。

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