藤井聡太王位への挑戦者はどちらに リーグ最終局 紅組は豊島九段、白組は池永五段が優勝

2022年5月2日 21時56分

王位リーグ紅組で優勝を決めた豊島将之九段

 将棋の藤井聡太王位(19)=五冠=への挑戦者を決める、お~いお茶杯第63期王位戦(東京新聞主催)の紅白リーグの最終5回戦が2日、東西の将棋会館で一斉に指された。紅組は豊島将之九段(32)が、白組は池永天志五段(29)がそれぞれ優勝を決めた。(樋口薫、大山弘、世古紘子)
 紅組は4回戦終了時点で豊島九段、近藤誠也七段(25)、伊藤匠五段(19)の3人が3勝1敗で並ぶ大混戦。この日は豊島九段と伊藤五段、近藤七段と佐々木大地七段(26)という顔合わせになった。

王位リーグ紅組2位となった佐々木大地七段

 前期挑戦者の豊島九段と今期が王位戦初参加となる伊藤五段は本局が初対戦。伊藤五段の先手で相掛かりの将棋となり、激しい攻め合いの順に進んだ。先に秒読みに追い込まれた伊藤五段が最後の猛攻に出たが、間一髪で後手玉は詰まず、豊島九段が激戦を制した。
 一方、近藤七段―佐々木七段戦は角換わりの戦型から、難解な中盤戦を経て、後手の佐々木七段が入玉を目指す展開に。ギリギリの攻防が繰り広げられたが、後手玉が安全を確保し、先手玉に反撃したところで近藤七段が駒を投じた。
 3勝2敗で3棋士が並んだが、前期成績の結果により佐々木七段がリーグ残留。「連敗スタートだったが、その後もしっかり指せたのが良かった」と振り返った。前期に続き、3勝2敗でリーグ陥落となった近藤七段は「内容自体は悪いわけじゃなかったが、本局のように接戦を勝ちきれなかった」と唇をかんだ。
 これにより豊島九段の紅組優勝が決定。「負けた将棋は内容が悪かったが、4勝1敗という成績はよくできた方かなと。挑戦者決定戦までしばらく時間があるので、しっかり調整して頑張りたい」と話した。
     ◇

王位リーグ白組で優勝した池永天志五段

 白組は4回戦終了時点で澤田真吾七段(30)と池永五段が3勝1敗で並び、糸谷哲郎八段(33)と羽生善治九段(51)が2勝2敗で追う展開。最終局では澤田七段が羽生九段と、池永五段が糸谷八段と激突した。
 羽生九段―澤田七段戦は横歩取りの戦型に進み、序盤に飛車交換となる激しい展開に。先手は竜を、後手は馬をつくり合って難解な形勢とみられたが、羽生九段の桂を打っての攻めが厳しく、58手の短手数で澤田七段が投了した。両者は3勝2敗で並んだが、直接対決で勝った羽生九段のリーグ残留が決まった。
 羽生九段は第34期(1993年)にリーグ入りし、そのまま王位を獲得して以降の30年、一度もリーグからの陥落がないという驚異的な記録を更新。終局後には「今期は最初に連敗し、非常に苦しい状況だったが、何とかリカバリーして残留できたのは良かった。(30年は)意識したわけではないが、結果的にそういう数字になったのは幸運だった」と語った。

白組2位となり、リーグ残留を決めた羽生善治九段

 一方、糸谷八段―池永五段戦は角換わりの戦型となり、先手の糸谷八段が後手の攻めを逆用して8筋にと金をつくった。しかし池永五段は飛車の打ち込みから先手の角を捕獲してペースを握ると、自玉の堅さを生かして一気に寄せきった。初のリーグ優勝となった池永五段は「他棋戦では結構負けているが、王位戦に星が集まったのは運が良かった。(挑戦者決定戦は)熱戦の将棋を指したい」と意気込みを語った。
 豊島九段と池永五段による挑戦者決定戦は今月31日、大阪市の関西将棋会館で指される。

おすすめ情報

囲碁将棋の新着

記事一覧