「阿佐ケ谷姉妹」ならぬ「四谷姉妹」が話題 弁護士2人組が漫才で憲法解説、わかりやすく楽しく

2022年5月4日 06時00分
 労働や人権問題に取り組む2人の弁護士が、お笑い芸人「阿佐ケ谷姉妹」にそっくりな衣装を着て、憲法を漫才で紹介する活動を続けている。面白おかしく憲法を学べると評判になり、都内の勉強会に招かれているほか、ユーチューブに公開した動画が話題に。忙しい合間に漫才を続けるのは「生活していて困ったら、憲法が私たちの権利を守ってくれる。それを知ってほしい」との願いからだ。(大野暢子)

憲法を漫才で面白おかしく紹介している弁護士の岸松江氏(左)と青龍美和子氏

◆幅広い層に思い伝えたい

 コンビ名は「四谷姉妹」。2人が勤務する法律事務所が東京都新宿区四谷にあることにちなんだ。おそろいのおかっぱ頭に眼鏡、ピンク色のドレスが目を引く。難しい法律用語を聞くと、つい食べ物の名前だと勘違いしてしまうのは姉役の岸松江弁護士、ツッコミ役は妹を演じる青龍美和子弁護士だ。
 あるコント作品は、姉妹で互いの願いを語り合う場面から始まる。「戦争はだめね、平和じゃなきゃ(憲法9条の戦争放棄)」「へー、いーわね。私は仕事を頑張りたい(27条の勤労権)。漫才も発表したい(21条の表現の自由)」「そういえば、この願いって全部憲法に書いてある」「憲法ってすごいよね!」と進んでいく。
 憲法そのものについては「日本で一番大事な決まりで、実現すれば、みんなが幸せになれるもの」と紹介する。
 長年の弁護士活動を通じて、1人でも多くの人に憲法を知ってもらう大切さを痛感してきた。「堅苦しい話をしても、私たちの思いが幅広い層に届かない」(岸氏)と考え、漫才に行き着いた。コンビを結成したのは2018年冬だ。

◆「一人一人の権利守ってくれる」

 新型コロナウイルス禍では、全国で多くの人が失業や収入減に直面。仕事をしばらく休むように言われた人も多く、2人のもとには相談が相次いだ。2人は会社の都合で休みになった場合、休業手当をもらえること、会社がその手続きをしない場合は、労働組合への加入や労働審判などの法的手続きをするよう助言している。憲法25条で生存権が保障されているからだ。
 青龍氏は、東京電力福島第一原発事故の避難者らが政府や東電に損害賠償を請求した集団訴訟の原告弁護団に参加している。被災地に通う中で「故郷を奪われた人たちの苦しみや健康不安は続いている」と何度も感じた。そして、被災者に負担を強いている政府と東電は「個人を尊重する憲法13条に違反した行為をしている」と指摘する。
 DVや会社などでのハラスメント問題を多く手掛ける岸氏は「憲法は家族生活における両性の平等や個人の尊重をうたっており、DVやハラスメントは許されない」。憲法が私たち一人一人の権利を守っていることを知れば「問題が起きた時、自分は悪くないと気づき、問題解決に向けて行動しやすくなる」と話す。

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