さらばオレンジ色の各停 中央・総武線、真夜中の「大転換」 3・14ダイヤ改正

2020年3月13日 02時00分
 JR山手線に四十九年ぶりに開業する新駅「高輪ゲートウェイ」に注目が集まる十四日のダイヤ改正。その陰で半世紀ぶりの「大転換」が行われる。JR中央線(快速)と中央・総武線(各駅停車)の早朝・夜間の運行方式が変わるのだ。酔っぱらって乗り過ごしてしまうと、東京駅に向かうつもりが、気付いたら千葉駅―。そんな“悲劇”が起きかねない。(松尾博史)

※高尾~新宿、御茶ノ水~東京・千葉の途中駅は省略

◆深夜・未明と日中で変わる色

 「錦糸町方面は御茶ノ水駅でお乗り換えです」。三月上旬の平日の深夜、JR市ケ谷駅ホームにアナウンスが流れた。
 市ケ谷駅は各駅停車の駅で、日中は秋葉原や津田沼などの千葉方面行きと、新宿方面行きの黄色い電車が発着する。だが、深夜から未明にかけて、千葉方面の各駅停車の行き先が東京駅に変わり、車両も黄色ではなく、オレンジ色の中央線(快速)の車両が使われている。千葉方面に向かう人は御茶ノ水駅で黄色い電車に乗り換えなければいけない。早朝も各停の多くはオレンジ色の車両だ。なお、中央線(快速)の運行は午前零時ごろに終わる。

◆なぜ?「国鉄時代から…分からない」

いまさらだが、ややこしい。なぜ日中と早朝・夜間で運行方式が異なるのか。
 JR東日本に尋ねると、「国鉄時代のことなので詳しくは分からないが、少なくとも五十年前には現行の輸送体系になっている」(広報部)。利用者が少ない早朝や深夜は、各停だけで必要な輸送力をまかなえることなどが理由らしい。

JR市ケ谷駅に停車する各駅停車。昼は黄色(上)、深夜はオレンジ(下)だったけど…

◆オレンジと黄色、完全に分離

 これがダイヤ改正で変わる。深夜・早朝を含めて終日、中央線(快速)はオレンジ色、中央・総武線(各駅停車)は黄色の電車に。運行区間も終日、快速は東京―高尾、各駅停車は三鷹―千葉と、スッキリする。
 変更の理由はホームドア。オレンジ色の電車と黄色の電車ではドアの位置が異なる。そこで、ホームドアの設置が予定されている信濃町、千駄ケ谷、代々木など各駅停車の駅には、黄色の電車だけが止まるようにするという。

◆乗り換え不要、時間短縮 乗客も歓迎

 七日未明に勤務先近くの市ケ谷駅から乗車し、御茶ノ水駅で乗り換えた男性会社員(33)=江東区=は、「(運行方式の変更は)知らなかった。御茶ノ水駅での乗り換えは、それほど大変ではなかったけれど、その分の時間が短縮されるのならばいいですね」と話した。
 今は深夜で終わっている快速運転は終日運転になる。所要時間が短くなる一方で、終電時間が早まるケースも。例えば、平日の高尾行きの終電は、東京発の時間が午前零時二十分から五分前倒しされる。
 JR東は「ダイヤ改正のパンフレットや掲示物、案内放送で周知していきたい」と話している。今年は自粛ムードとはいえ、春は歓送迎会の多い季節。乗り過ごし、乗り遅れには、くれぐれもご注意を。

◆新型特急が登場

 このほかに、東海道新幹線「のぞみ」の一時間あたりの片道の最大運転本数が二本増えて十二本になり、全ての「のぞみ」が東京―新大阪を二時間半以内で走るようになる。また、中央線特急の「あずさ」と「かいじ」の号数が通し番号になり、ヒット曲のタイトルにもなった「あずさ2号」の列車名がなくなる。東京―伊豆急下田には全席グリーン以上の新型特急「サフィール踊り子」が登場する。

JR東日本の観光特急列車「サフィール踊り子」=昨年12月の報道公開で

◆編集も大変…「時刻表」編集長に聞く

ダイヤ改正の注目ポイントを語る大内学編集長

 「今回のダイヤ改正は規模が大きい。その分だけ編集や確認の作業がすごく大変でした」。「JTB時刻表」の大内学編集長(43)は、こう振り返った。
 大内さんが注目するのは東日本大震災、東京電力福島第一原発事故で不通になったJR常磐線の九年ぶりの全線再開だ。最後の区間の富岡―浪江が再開し、東京と仙台を特急列車が走る。
 最新号では、桜の名所で知られる福島県富岡町の見どころを紹介した。「常磐線の沿線を応援したい。列車に乗って遊びに行っていただけたら」と思いを語った。

【首都圏の主な変更点】

 ★JR東日本 佐貫駅(茨城県)を龍ケ崎市駅に改称
 ★東武 野田線(アーバンパークライン)で急行運転する区間を拡大、大宮―船橋が最大16分短縮
 ★西武 池袋線の特急車両を「ラビュー」に一本化。従来の「ニューレッドアロー」は臨時列車を除いて運転を取りやめ。新宿線では引き続き運行
 ★東京メトロ 有楽町線の日中の運転間隔を6分から5分に短縮
 ★小田急 平日午前7時55分~8時35分に新宿駅に到着する各駅停車の列車5本が全て10両編成に。26日に登場する12年ぶりの新型通勤車両「5000形」投入も
 ★東急 東横線で平日午前9時台から運行していた特急を午前6時台に1本新設。横浜-渋谷を26分で運転
 ★つくばエクスプレス 新型車両「TX-3000系」導入。朝のラッシュピーク帯の1時間あたりの上り運行本数を22本から25本に増発
 ★京急 「産業道路」を「大師橋」、「仲木戸」を「京急東神奈川」など6駅を改称
 ★東京モノレール 「羽田空港国際線ビル」を「羽田空港第3ターミナル」など3駅を改称

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