アマゾン、日本で納税増 売上高 国内法人に計上

2019年12月23日 02時00分
 インターネット通販世界最大手アマゾン・コムが、日本国内の販売額を日本法人の売上高に計上する方針に転換し、二〇一七年と一八年十二月期の二年間で計三百億円弱の法人税を納付していたことが二十二日、分かった。従来、日本の取引先との契約は米国法人が結び、売上高も節税効果が見込める米国に計上。日本での税負担を軽減しているとの批判があった。日本事業を拡大するため適切に納税する方が得策と判断した。
 複数の関係者が明らかにした。日本法人のアマゾンジャパン(東京)は以前、米国の親会社から業務委託報酬を受ける形で事業を運営し、収益を低く抑えていた。しかし外国法人が契約主体では医薬品や医療機器販売に参入できず、他にも日本で事業を展開する上で制約が多くなっていた。アマゾン・コムは日本だけでなく他の一部の国でも適切に納税する方針を採りつつある。
 現在の日本法人は一六年五月に、通販業務を支援する会社と物流機能を担う会社が統合して設立された。このころから国内で日本法人が取引の契約主体となり、一七年十二月期決算以降は通期で日本法人に売上高を計上する方針に転換した。
 日本法人は合同会社で決算を開示していないが、関係者によると法人税は一七年、一八年とも百数十億円を納付した。過去最高の売上高を見込む一九年十二月期はさらに増える見通し。
 日本法人が唯一開示した決算は一四年十二月期で、売上高は三百十六億円、法人税は四億円だった。米本社の資料によると、同じ一四年十二月期の日本事業の売上高は七十九億ドル(約八千六百億円)に上り、大きな開きがある。
 一方、成長著しいクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」や動画、電子書籍などデジタル商品は引き続き日本法人ではなく米国法人に売上高を計上。これらを含む一八年十二月期の日本事業の売上高は一四年の二倍弱の約百四十億ドルに膨らんでいる。
 巨大IT企業を巡っては、売上高を法人税率の低い国で計上する節税策が問題視され、これを防ぐ「デジタル課税」の議論が進んでいる。
<アマゾン・コム> 1994年に米国で創業した世界最大のインターネット通販企業。書籍販売を皮切りに品ぞろえを充実させた。直販と第三者出品が通販事業の柱で迅速な配達を可能にする倉庫など物流基盤が強み。日本では2000年から事業を展開。物販に限れば国内でネット通販首位との見方もある。18年12月期の売上高は2328億ドル(約25兆4千億円)。

関連キーワード

PR情報