<子どものあした>わたしは きみは どんな虹色? 子どもたちへ“あなた色”大切に 明星大教育学部教授・星山麻木(あさぎ)さん

2022年5月5日 07時00分

「あなたのすてきな色を消そうとしないで」と呼び掛ける星山さん=鎌倉市で

 子どもたちのさまざまな特性を虹にたとえると、それぞれの虹は世界にたった一つで、とてもすてき。そんな考えを広めようと活動する明星大学教育学部教育学科教授の星山麻木(あさぎ)さん=鎌倉市在住=から、こどもの日に合わせてメッセージを寄せてもらいました。ワークもあります。あなたはどんな虹色ができるかな?(石原真樹)
 「何でほかの子と同じようにできないのだろう」。自分でそう悩んだり、誰かに言われたりしたことはありませんか。
 ほかの子と同じでないのは当たり前。だって、みんなひとりひとりが違うから。誰とも違うあなただからこそ、かけがえがないのです。違うことは、すてきなことで、強いことなのです。
 どんなところが違って、すてきなのか、自分のことを知ってほしい。知ることで、何か困ったときにどうしたらいいのかがわかったり、誰かに「こういう風に手伝ってほしい」と伝えやすくなったりします。そして、自分のことがわかるとまわりの友だちのこともわかるようになり、お互いに理解し、尊重し合う、すてきな関係がつくれるようになります。
 感じ方や考え方は「どれが良くてどれがダメ」ではなく、それぞれ違うだけ。その違いを色で表現すると、色の種類も濃さもさまざまで、ひとりひとりが虹のようにきらきらします。あなただけの虹色を大事にしてください。ほかの人と色が違っても、不安になって白く塗りつぶしたりしないで、虹色をさらに輝かせてください。

◆大人も自分を理解 子育てに生かそう

 特性を虹で表現した理由の一つに、困りごとはあるけれど発達障害などの診断はつかない場合の「グレーゾーン」という言葉が嫌だったことがあります。特性は誰にでもあり恥ずかしいことではない。子どもも大人も肯定的なイメージを持ってほしいと考えました。
 虹はお父さんお母さんにもあります。まずは大人自身が自分の色を知ってみてください。たとえばレッドが強いお父さんが、グリーンの強いお子さんに「自分の正義」を求めても、お子さんをレッドに染めることはできないので、苦しめてしまう可能性があります。「自分と子どもは違う。子どもの特性に合わせてどんな声かけをしたら伝わるだろうか?」と考えるようになると、子育てがちょっと楽になるかもしれません。
 「ぼくはブルーなのに、学校はレッドとイエローばかり求めてくる。ぼくの色を評価してくれない」と訴えた中学生がいました。実際に教員対象のワークショップでレッドとイエローばかりだったこともありました。でも、教員も自分の色を消す必要はなく、「自分はイエロー」などと認識した上で、それぞれの子どもの特性にあった対応をすれば良いのです。
 虹が、お互いのことを共有して、共感して、理解するヒントになればと思います。
<ほしやま・あさぎ> 県立鎌倉養護学校などで音楽教諭として勤務後、横浜国立大大学院で障害児教育を専攻、東京大大学院医学系研究科博士課程修了。専門は療育や特別支援教育の指導法。県内外で保護者や先生向けの講座を実施。詳しくはホームページ=https://hoshiyama-lab.com/。

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