「本の街」の顔 惜別のしおり 建て替えのため8日に一時閉店 三省堂書店神保町本店
2022年5月6日 07時05分
世界最大級の「本の街」として知られる神田神保町(千代田区)の一丁目一番地、駿河台下交差点に立つ三省堂書店神保町本店が八日、建て替えのため一時閉店する。老舗の歴史に一区切りがつき、解体されるビルの壁面にはしおりをデザインした垂れ幕が掲げられた。 (浅田晃弘)
ビルは三省堂創業百周年にあたる一九八一年、戦前から営業してきた旧社屋を改築して完成した。地上八階建て、一階から六階までの売り場面積は約千坪、蔵書は百四十万冊を誇った。
惜別のため、利用客の思い出を掲示するコーナーを設けた。「ビルが全部本屋さん。わくわくしました」「学生時代から本屋といえば三省堂でした」と、愛情あるコメントが集まった。他にも、店の名物だった書籍の「タワー積み」を、今年の本屋大賞受賞作「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬、早川書房)と、この四十年間で最も売れた「思考の整理学」(外山滋比古、ちくま文庫)で行っている。
建て替え後の営業開始は二〇二五年を予定し、それまで現在地の東側の元ヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店を仮店舗とする。仮店舗は六月一日にオープンする。
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