ワクチン4回目接種は対象を限定 60歳以上や基礎疾患ある人に 5月末にも開始<新型コロナ>

2022年5月7日 06時00分
 新型コロナウイルスワクチンの4回目接種が、今月末にも始まる。3回目接種までとは異なり、対象は60歳以上や基礎疾患のある18歳以上らに限定される。厚生労働省によると、4回目接種には一定程度の重症化予防効果が見込まれる。だが、感染予防効果は長く続かないため、60歳未満の年代は接種対象から外すことになった。(佐藤航)

◆2カ月でなくなる予防効果

 「少しでも効果があるなら打ちたいわね」。巣鴨の地蔵通り商店街を歩いていた東京都文京区の女性(83)は高血圧で糖尿病の持病があり、4回目接種を希望する。「でも、どれくらい効くのかね。効果はいつまで続くの?」。一緒にいた友人の豊島区の女性(85)も接種に抵抗はないが、「お医者さんの説明をよく聞きたい」と話した。
 2021年末から主に60歳以上の4回目接種を始めたイスラエルでは、イスラエル工科大などがこんな研究結果を発表している。60歳以上を対象に、3回目接種から4カ月以上たったグループと4回目接種から約1カ月半たったグループで比較。感染して重症になった人の割合が、4回目接種のグループは、3回接種のグループの約4分の1と少なかった。
 一方、4回目接種による感染予防効果は約2カ月でほぼなくなった。そうした海外の調査事例を基に、4回目接種の是非について議論した4月27日の厚労省の分科会では、委員から「重症化予防という目的は納得できる」という意見が出た。

◆基礎疾患把握した名簿なく、接種券配布に課題も



 4回目接種でも副反応が出ることもあり、接種対象は重症化しやすい人に絞る。厚労省の統計によると、新型コロナ感染者の人口10万人あたりの死者数(4月19日現在)は、50代以下は10人に満たないが、60代は14人と多い。
 今後、4回目接種の対象者を拡大することについて、後藤茂之厚労相は「60歳未満も4回目を接種した方がいいという知見が出てくれば検討する」というが、北里大の中山哲夫特任教授は否定的だ。「若い人たちもみんな4回目を接種しなければいけないわけではない」
 中山特任教授によると、ワクチン接種や感染によって人の体内には「免疫の記憶」が備わる。その後、ウイルスが体内に侵入しても、免疫の記憶があれば、発症や重症化を防ぐことができる。
 若い年代の多くはワクチン3回接種で免疫の記憶が備わるが、高齢者は備わりにくいため、4回目接種が推奨されるという。4回目接種をする外国も、接種対象は高齢者や重症化リスクの高い人に絞っている。
 一方、問題は基礎疾患のある18歳以上への接種券の配布。基礎疾患の有無を把握した名簿はないため、本人が自治体に申告することになりそうで、配布に漏れが出る可能性もある。

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