<チェック 危険な通学路>市川市 京成八幡駅西側踏切 車両通行止めでも危険

2022年5月7日 07時18分

自転車が大きく横に広がって走行する京成八幡駅西側の踏切=市川市八幡で

 市川市立八幡小学校から約百五十メートル離れた京成八幡駅西側に踏切がある。四月中旬、自転車を除く車両が通行止めとなる午前七時半〜八時半の通学時間帯に、取材に訪れた。
 遮断機が上がると、横に広がった自転車の列が子どもの横を高速で通り抜け、約二十秒後にはまた遮断機が下がり始めた。踏切に取り残される歩行者もおり、自分で遮断機を上げて出て行った。「開かずの踏切」での足止めを避けたい自転車が、必要以上に速度を上げているようだった。
 車が通れる下校時間帯は、幅約七・五メートルの踏切内に子どもと自転車、車が隣り合う瞬間も見られる。いつ接触事故が起きてもおかしくない状況だ。
 この踏切を含む同小の通学路では毎朝、保護者や地域住民が横断旗を持ち、声がけをする。活動を七年続ける四十代男性は「朝は通行止めのはずのバイクが踏切内に無理に入ってくることがある。大人の交通マナーが悪い」と話す。
 付近は、八街市で児童五人が死傷した飲酒運転事故を受けた通学路の全国一斉点検で「危険箇所」に認定。「道幅が狭く、車と自転車の交通量が多い」とされたが、認定後の対策は注意喚起の看板設置にとどまる。
 京成電鉄の担当者は「踏切の開閉時間の長さを変えるのは、現行のダイヤでは難しい」とする。線路の高架化も現時点では予定しておらず、「用地の買収や周辺住民との交渉、建設などで五年以上かかる可能性もあり、すぐに実施できるものではない」と語る。
 それならせめて、夕方も車両通行止めにするのはどうか。しかし、男性は「下校時間帯に車両規制すると、今度は別の道が渋滞するので難しい」と話す。地面を隆起させて車両の速度を落とす「ハンプ」を設ける手もあるが、バイクが転倒し児童を巻き込むリスクにもなるという。
 取材中、歩道にはみ出して走行する自転車や、子どもの脇を通る時にも速度を緩めない車が散見された。男性は「物理的な対策は制約も多いし行政の対応を待っているのでは駄目。事故が起きてからでは遅いので、まずは住民が自分事として考えないといけない」と訴える。(鈴木みのり)
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◆県警分析 過去5年 児童の死傷事故 80%が登下校時間に集中

 千葉県警は、過去5年間に歩行中の小学生が巻き込まれた交通事故を分析し、結果をまとめた。死傷者計1186人のうち80%の951人が、朝と夕の登下校時間帯の事故に集中していた。県警交通総務課の担当者は「ドライバーに加え、保護者も適切に児童らに注意を促してほしい」と呼び掛けている。
 死傷事故の時間帯別では、登校時間帯(午前7時台)が224人、下校時間帯(午後2〜5時台)は727人だった。放課後の遊びや散歩中だったケースも含まれるが、多くは登下校中の事故だったとみられる。
 事故の発生原因別では、八街市で昨年6月に飲酒運転のトラックにはねられ児童5人が死傷した事故のように、子どもの側に違反や原因がなかったものが717人(63%)と最多。次いで、子どもの飛び出しが320人(28%)と目立ち、横断違反が51人(5%)、路上遊戯が23人(2%)と続いた。
 同課担当者は「事故防止にはドライバーの安全運転意識が重要。子どもは興味を引くものに夢中になり、思いがけない動きをすることにも注意してほしい」と指摘。「保護者は子どもらが突然飛び出さないよう『止まる、見る、待つ』が大事と繰り返し教えて」と語った。(加藤豊大)

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