「戦争と平和」を考え続けて

2022年5月7日 07時34分
 新型コロナウイルス感染症を巡る行動制限のない、久々の大型連休でした。読者の皆さんも、それぞれの過ごし方をされたことでしょう。
 東京新聞社説は、毎年掲載している「憲法記念日に考える」「こどもの日に考える」とともに、四回にわたり「戦争と平和を考える」をテーマにお届けしました。
 二〇二〇年の新型コロナの感染拡大後は、二年にわたりコロナに関する社説を連載していましたが、今年は連載テーマを切り替えました。
 コロナ禍はまだ終息していませんが、ロシアによるウクライナ侵攻を機に、戦争と平和について深く考えなければならない、という私たち論説室の問題意識の表れです。
 二日掲載の「朝鮮半島の火種は今も」では、海を隔てた朝鮮半島では戦争がいまだ終わらず、国連軍の後方司令部が置かれている日本も戦争に深く組み込まれている現実を伝え、こう訴えました。
 「軍備増強よりも戦争が起きない世界をどうつくるのか。北東アジアに残る緊張と対立の芽を摘むことこそが最優先課題なのです」
 読者から「理想論すぎる」との指摘の一方で「共感を覚えた」「北東アジアの平和にとって朝鮮戦争の終結が最優先課題との認識が共有されるよう、新聞が声を大にして訴え続けてほしい」との意見をいただきました。読者の応援は心強い限りです。
 憲法記念日の社説では、二十世紀の戦争で多数の犠牲者が出たことを紹介し、日本国憲法の基本的人権の保障という条文には戦争で亡くなった死者たちの声が生きていて、次の時代に良心のバトンをつなぎたい、と訴えました。
 翌四日の社説では、施行七十五年を迎えた平和憲法に基づく「専守防衛」政策が絵空事ではなく、日本への信頼を高め、地域の安定に資する外交・安全保障政策として機能してきたと指摘しました。
 中国や北朝鮮の軍備増強やロシアのウクライナ侵攻を受け、日本も憲法を改正して軍備増強すべしと叫ぶ人が多くなったように感じます。
 しかし、施行七十五年がたち、すでに私たち日本国民の血肉と化した憲法の平和主義が過去の戦争の反省に立つことを忘れてはなりません。
 執拗(しつよう)と言われようとも本紙社説は平和主義の大切さと有用さを訴え続けます。 (と)

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