「安政遠足 侍マラソン」3年ぶりに開催 群馬県安中市 仮装ランナーら823人力走

2022年5月9日 20時10分

仮装したランナーらが参加した「安政遠足 侍マラソン」=8日、群馬県安中市で

 国内最古のマラソンとされる故事にちなんだ「第48回安政遠足とおあし 侍マラソン大会」(東京新聞など後援)が8日、群馬県安中市で開かれ、名物の仮装ランナーら823人が新緑の旧中山道を快走した。コロナ禍で2年続けて中止され、3年ぶりの開催となった。(石井宏昌、安永陽祐)

◆組織的に記録競った日本でのマラソンの始まり

 1855(安政2)年、安中藩主の板倉勝明が藩士の心身鍛錬のために安中城から碓氷峠までを競わせた「遠足」が大会の由来。市内に着順や大まかな到着時刻を記した古文書が残っており、組織的に記録を競った日本におけるマラソンの始まりという。

笑顔でゴールゲートを駆け抜けるランナーたち

 市街地の安中城跡がスタート地点。例年は2コースあるが、今回は感染防止対策で碓氷峠越えのコースはなく、峠麓までのコース(20.15キロ)のみで実施。参加者も例年の半数ほどだったが、多くのランナーが、武将や人気アニメの主人公など工夫を凝らした扮装ふんそうで大会を盛り上げた。
 開会式は感染防止対策で中止され、スタート地点の武家長屋前で同保存会の阿久津浩司会長が「安中藩士に思いをはせながら、マイペースで頑張ってください」とあいさつ。「密」を避けるためにランナーは5班に分かれ、午前8時から順次スタートした。

「ミニ遠足」で元気良くスタートする子どもたち

 関所・坂本宿コースの男子は、高崎市の大学職員広木大地さん(28)が初優勝。「最後の上り坂がきつかったが、気持ちで走りきった」と振り返った。大学生時代は箱根駅伝を目指した健脚で、月約300キロを走り込んできた。「お世話になった人に感謝したい。来年は仮装して連覇を目指す」と笑顔で話した。
 女子は、富岡市の会社員佐俣久美子さん(47)が通算12回目の優勝と10連覇を果たした。「誰も成し遂げていなかった10連覇を目指してきた。ここまで長かった」と感無量の表情。コロナ禍で大会は2年連続中止されたが「私にはこれしかないから」と、練習は怠らなかった。「一区切りついたが、次は15連覇」と意欲を見せた。
 市街地では子どもたちの「ミニ遠足」も行われた。

◆武田信玄と騎馬隊、渋沢栄一新1万円札、ナガネギマン…多彩な仮装

 武田信玄と騎馬隊にふんしたのは、高崎市の会社員落合剛史さん(49)と同僚の4人組。竹の骨組みに布を張った3頭にそれぞれ武将の人形を乗せ、かぶとを着けた信玄が従える。落合さんは「中止が続いて残念だったが、ようやく参加できて仮装への反応が楽しみ。見た人に楽しんでもらえたらうれしい」と声を弾ませた。

 武田信玄の騎馬隊の仮装で力走するランナー

 伊勢崎市の会社員中沢健治さん(33)は、日本の資本主義の父とされる実業家、渋沢栄一の肖像画が入った新1万円札をイメージした仮装姿で登場。栄一は富岡製糸場の設立に関わり、大河ドラマの主人公としても注目を集めた。
 仮装は縦約100センチ、横約180センチで、A3判用紙15枚をプラスチック段ボールに貼り付けた。「最近はハッピーなニュースが少なく、テーマを見つけるのに苦労した。風の抵抗をもろに受けるので、追い風だったらいいけど」とスタート前、風向きを気にしていた。
 岐阜市から参加した会社員堀直博さん(59)はアンパンマンのキャラクター「ナガネギマン」の衣装姿。下仁田ネギを模した剣を振り上げ、「弱いおじさんが変身すると強くなるところが良い。有名なキャラクターじゃないけど、下仁田ネギとともに知名度向上に貢献したい」と話した。

◆主な入賞者(敬称略)

【男子】①広木大地②田村裕一③椎谷将大④新木剛史⑤尾崎勝海⑥田中章浩
【女子】①佐俣久美子②幸長菜央③猪俣有加④奥木みどり⑤小板橋郁穂⑥谷村佳子
【仮装アイデア】特別賞 日部貴博▽仮装大賞 金子勝、岩井淑、戸沢義夫、杉山礼子、上原ゆり子

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