「女流」じゃない棋士になる 西山三段、将棋界に風穴なるか

2020年3月5日 16時00分

昨年の女流王将戦で対局する西山朋佳三段=日本将棋連盟提供

 将棋界のプロ養成機関「奨励会」で、史上初の女性のプロ棋士(四段)が誕生するか注目が高まっている。半年かけて行われる「三段リーグ」(参加30人)で、女性唯一の参加者の西山朋佳三段(24)=女流3冠=が、あと2局を残し、12勝4敗で3位につけている。プロ棋士になるためには2位以内に入る必要があり、西山三段は逆転昇段を目指して、7日の最終日に臨む。 (樋口薫)
 「奨励会に入会して十年、これまでで一番いいものを出せている。どのような結末を迎えても、今回の体験は大きな心の支えになるはず」。先月開かれた女流タイトル「女流王座」の就位式。西山三段が決意を述べた。
 将棋界には二つのプロ制度がある。藤井聡太七段(17)や羽生善治九段(49)ら、奨励会を突破した人がなれる「棋士」と、女性だけが対象の「女流棋士」で、これまで棋士になった女性はいない。女流棋士の第一人者の里見香奈女流王位(28)も一昨年、二十六歳までにプロ入りという年齢制限をクリアできず、奨励会を三段で退会している。
 大阪府出身の西山三段は十四歳で奨励会に入会。慶応大に入学したが、現在は休学し、将棋に打ち込んでいる。二〇一五年に里見さん以来、女性として二人目の三段となった。振り飛車戦法を得意とし、豪快な駒の活用が持ち味。奨励会員でも参加可能な三つの女流棋戦ですべて優勝し、女王、女流王座、女流王将の三冠を保持している。
 囲碁のプロ棋士(初段)で姉の静佳さん(27)は「師匠から女流棋士になるよう勧められたのを断り、棋士を目指した。将棋に対する姿勢もまじめそのもの」と明かす。研究会で一緒に勉強する井出隼平四段(28)も「四段に上がっても驚きはない。男ばかりの奨励会で、ここまで戦える根性はすごい」とたたえる。
 囲碁界では女性のみを対象とした採用枠が設けられ、プロ入り後の待遇は男性とほぼ同じ。男性と同条件の一般枠でプロ入りした女性も過去四人おり、男女の棋力差は埋まりつつある。
 七日の最終日は全参加者が午前と午後、一斉に二局を戦う。西山三段の昇段には、自身の二連勝がほぼ必須な上、競争相手が敗れる必要がある。

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