周辺6市村長が東海第二視察 東海村長「再稼働是非 協議進める」 事故対策工事 完了延期受け防潮堤など確認

2022年5月10日 07時19分

建設中の防潮堤を視察する首長ら

 日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村など周辺六市村の首長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」が九日、再稼働に向けて進む防潮堤などの事故対策工事を視察した。視察は昨年四月に続き二度目。座長の山田修東海村長は「一年前と比べて大分工事が進んでいた。昨年は新型コロナでできなかったが、今年は(六市村と原電が意見交換する)協議会の場を設けたい」と話した。(長崎高大)
 六市村は、再稼働に当たり事前同意を求められる水戸、日立、ひたちなか、那珂、常陸太田の各市と東海村。今年十二月としていた工事完了時期がテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の完成時期とともに二〇二四年九月に延期されるなど、状況が大幅に変わったことから、二度目の視察の機会が設けられた。

杭打ちを終えた緊急時対策室建屋の予定地=いずれも東海村で(代表撮影)

 最大で高さ一七・一メートルの津波を想定した防潮堤(海側で二十メートル)の建設現場では、打ち付けた鋼管杭(こうかんくい)の周りを鉄筋コンクリートで覆う作業などを視察。首長らは、壁の構造や津波の力を弱める仕組みについて質問していた。鋼管杭は全六百本で、地下部分を打設してから地上部分を継ぎ足す。四月末現在、地下で四百三十本、地上で二百四十五本が設置を終えている。
 事故時の対応拠点となる「緊急時対策室建屋」では、地下三十メートルの岩盤まで届く約百二十本の鋼管杭を打つ土台工事を終えた現場を確認した。従来の建屋は原子炉建屋に隣接していたが、新たな建屋は西(陸側)に約三百二十メートル離れた標高二〇メートルの高台に建てる。収容人数が増えるほか、壁を厚くすることで被ばくを抑えられるという。
 非常用電源設備の一つ「常設代替高圧電源装置」の置き場や、事故に備えて海水をためておく「海水ピット」なども見学した。その後、首長と原電幹部らが非公開で意見交換した。

視察に先立ち、あいさつする山田修・東海村長

 視察後、報道陣の取材に応じた山田東海村長は、再稼働の是非の判断に向けた六市村の合意形成について、具体的なスケジュールはないとした上で「工事が進むと、(工事や完成した設備に問題がないか確かめる)使用前検査のところで話題になると思う」と指摘。「それまでに村民との対話、ほか五市との話し合いを並行して進めたい」と語った。
 原電の村部良和東海事業本部長は「工事の進行状況については理解いただけたと思う。地域のみなさまには引き続き丁寧に説明をしていきたい」と話した。

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