作家の早乙女勝元さん死去 90歳 東京大空襲体験、ルポがベストセラー 語り部活動ライフワークに

2022年5月11日 06時00分

取材に応じる早乙女勝元さん=2003年、東京都江東区の東京大空襲・戦災資料センターで

 10万人が亡くなった東京大空襲を体験した作家で、東京大空襲・戦災資料センター名誉館長の早乙女勝元さんが10日、老衰のため死去した。90歳。東京都出身。葬儀は後日、関係者で行う予定。
 1945年3月10日未明、下町を狙った米軍の東京大空襲に遭い、降り注ぐ焼夷しょうい弾と猛火の中を逃げ惑った。戦後は町工場で働きながら文学を志し、20歳で自分史「下町の故郷」を刊行。ルポルタージュ「東京大空襲」がベストセラーとなり、空襲体験の聞き取りと語り部活動がライフワークになった。
 70年、「東京空襲を記録する会」を結成。都民の空襲体験記や米軍資料を集めた同会は「東京大空襲・戦災誌」(全5巻)で菊池寛賞を受賞した。2002年に東京都江東区北砂に開館した「東京大空襲・戦災資料センター」の初代館長に就任。元軍人のような補償がない空襲被害者が国に救済を求めた訴訟では、証人として空襲体験を語った。
 著書に「東京が燃えた日」「下町っ子戦争物語」「アンネ・フランク」「私の東京平和散歩」「東京空襲下の生活日録」「平和のための名言集」など多数。
 早乙女さんは本紙朝刊で、2003年3~4月にリレーエッセー「わが街わが友」を、10年2月~13年1月にTOKYO発面「東京どんぶらこ」を執筆。夕刊では03年7~12月にコラム「放射線」、17年9~12月に「この道」を連載した。

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