若者世代の労組離れは深刻…担い手確保に「次世代オルガナイザー」育成

2022年5月11日 20時12分
 労働組合関係者や弁護士、大学教授などの有志は11日、都内で記者会見し、労働運動の担い手を育成する「次世代オルガナイザープロジェクト」を始めると発表した。若い世代の運動の担い手を増やすことで、労組加入者を増やし、交渉力を強める狙い。(池尾伸一)

 オルガナイザー 未組織の市民や労働者などの中に入って、政党や組合などの組織体をつくるために働く人。「オルグ」とも呼ぶ。

会見する発起人ら(右から竹信三恵子氏、鈴木剛氏、ジャーナリストの松元ちえ氏、神部紅氏、都内で)

 会見したのは発起人の全国ユニオン会長の鈴木剛氏、日本労働弁護団常任幹事のなつめ一郎氏、労働運動家の神部じんぶあかい氏、和光大名誉教授の竹信たけのぶ三恵子氏ら。
 厚生労働省によると、1970年には35%程度あった雇用者全体に占める労組加入者の割合(組織率)は年々低下し、2021年には16.9%となった。組合弱体化による交渉力低下は賃金低迷の主因の一つだ。
 発起人らは「労組離れや活動家の高齢化は深刻」(神部氏)と危機感を表明。流れを反転させるため、非正規労働者や女性の組織化を主導できる若い世代の人材を育てると説明した。
 20日にプロジェクトの設立総会を開く。今後は、労組の設立や運営ノウハウ、SNS活用法などを教える講座を開くほか、労組の活動を実際に体験してもらうインターンシップ(就業体験)を行う。大学などとも連携、労働法や労働運動を教える講師を派遣する。
 プロジェクト発足の背景には連合が正社員中心の組織のあり方から脱せず、非正規社員の組織化に消極的であることへの危機意識もある。鈴木氏は「連合は全労働者の代表のはずなのに(非正規の問題などに)十分に力を発揮していない。危機感を持って立ち上がる人たちで始める必要がある」と語った。

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