18、19歳の出演AV 業者に動画削除の原状回復義務…契約解除は発売後1年に支援団体は「救済が後退」

2022年5月11日 20時52分
 アダルトビデオ(AV)に出演した被害者を救済するため、与党プロジェクトチーム(PT)は全年齢を対象に被害者が申し出ればすぐに契約を解除した上で、商品回収や動画削除などの原状回復義務を業者に課す内容を新法に盛り込む方針を決めた。ただ、契約解除と原状回復可能な期間は発売やネット販売の後1年まで。野党は18、19歳に限り5年にするよう主張しており、与野党の実務者は11日、協議したがまとまらなかった。12日に改めて話し合う。
 与党案によると、出演者は契約に瑕疵かしがなくても年齢・性別を問わず発売から1年間は契約解除でき、業者に原状回復の義務を負わせるとしている。
 与党PTは保護者の同意がなければ、契約を解除できる「未成年者取り消し権」と同等の措置を18、19歳に適用することを検討していたが、法的に難しいと断念。これに対し支援団体などから批判の声が上がったことを受け、当初案になかった業者への「原状回復義務」を法律に盛り込むことにした。
 しかし、契約を解除できる期間は1年を想定。未成年者取り消し権の場合、契約取り消し可能なのは未成年の時だけでなく、成人後5年までだった。
 このため、支援団体や野党は「18歳、19歳の被害者救済が後退する」と懸念。NPO法人「ぱっぷす」の金尻カズナ理事長は本紙取材に「被害者に寄り添った内容になっていない」と批判している。支援6団体は18、19歳に限り解除の期限を無期限にするよう求める要望書を提出している。
 4月施行の改正民法による成人年齢引き下げで、18、19歳の取り消し権が消滅。この年齢を狙った被害拡大が懸念されている。(佐藤裕介)

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