<新型コロナ>「緊急事態宣言」北海道 冬の観光行事で拡大か

2020年2月29日 16時00分
 北海道全域で新型コロナウイルスの感染者が相次いでいる。鈴木直道知事が道民に外出自粛を求める「緊急事態宣言」を出した二十八日までに六十六人に上り全国最多。より人口密度が高い東京都や愛知県などと比べても突出している。感染経路が不明な「市中感染」が広がっており、専門家は「各地で開かれた冬の観光行事がきっかけで広がった可能性がある」と指摘する。
 「感染した男性と一緒に『さっぽろ雪まつり』会場で事務作業をしていた」。札幌市が二十日に感染を発表した男性。十八日に判明した感染経路不明の別の男性と同じ建物で仕事をしており「この男性から感染したと考えられる」と説明した。
 今年は二月四~十一日に催され、約二百万人が訪れた一大イベント。二人は接客業務はしていなかったが、熊本県や千葉県などで判明した感染者が発症前に訪れていたことも分かり、客や出店関係者からは「観光客が多くてどこで感染しているか分からない。自分は大丈夫か」「うちの店にも来ていたかもしれない」と不安の声も上がった。
 北海道ではスキー場や流氷などの行楽地のほか、冬の観光シーズンに各地で行事が開かれ、訪れる客が全国的にも多い傾向がある。観光庁の速報値では二〇一八年十二月~一九年二月の延べ宿泊者数は計約九百三十万人で東京、大阪に次いで三番目。道内の感染者の多くは経路が不明で、こうした行事がきっかけで市中感染した疑いもある。
 外岡立人・元小樽市保健所長は「札幌などの都市部で感染した人が地元に帰り、地域の行事で拡散した可能性がある」との見方。札幌医科大の横田伸一教授(ウイルス学)は「雪まつり会場近くの地下街など大勢の人が集まる閉鎖空間では、リスクが局所的に高かったと考えられる」と話した。

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