<福島2020>(6)ラッピングバス@東京 五輪に込めた思い乗せ

2020年2月29日 16時00分

乗客を乗せて福島へと向かうラッピングバス=東京都新宿区で

 新宿のネオン街を、鮮やかなラッピングバスが走り抜ける。車体には東京五輪マスコットの「ミライトワ」とパラリンピックの「ソメイティ」。大会を「福島から盛り上げよう」の言葉が中央に並ぶ。
 五輪では全競技の先陣を切って福島市でソフトボールが始まり、野球へと続く。福島県はそのPRのため、福島と東京を結ぶラッピングバスの運行を地元のバス会社に委託。昨年七月から福島市、会津若松市、いわき市と東京駅や国立競技場に近いバスタ新宿を往復する。
 県オリンピック・パラリンピック推進室の佐藤隆広室長(50)は「福島には、復興に向けた『光』と厳しい現実が残る『影』がある。実際に福島に来て、ありのままの姿を見てもらうことが一番の理解につながる」と思いを語る。
 震災と原発事故から九年。絶望、再起、喜び、悲しみ。福島が五輪に込めた思いを乗せてバスは今日も走る。今はまばらな乗客も、大会が近づけば混み合うことだろう。
 五輪開幕まで五カ月を切り、百四十六日。世界最大の祭典というスポットライトに映し出され、世界の目が福島の光と影に注がれる。その時こそ、「復興五輪」と銘打った大会の真価が問われることになる。(写真と文・岩本旭人) =おわり

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