「経済の立て直しが最優先」フィリピン・新大統領マルコス氏初の記者会見 米中がさっそく関係強化の呼び掛け

2022年5月12日 20時02分

11日、フィリピン・マンダルヨンの本部で開いた記者会見で、大統領選の勝利を宣言するマルコス氏=AP


 【バンコク=岩崎健太朗】フィリピン大統領選で圧勝したフェルディナンド・マルコス氏(64)は11日、当選確実を決めた後で初となる記者会見を開き、新型コロナウイルス禍で疲弊した経済の立て直しに最優先で取り組む考えを強調した。中国への融和が際だったドゥテルテ政権後の外交姿勢も注視される中、米中双方はさっそくマルコス氏に協力関係の強化を呼び掛けた。
 マルコス氏は事実上の勝利宣言とともに、閣僚の人選を進めていると説明。物価安定やエネルギー確保、雇用、教育、インフラ整備に注力し「各分野の専門家を起用するために、さまざまな部門と協議中だ」と述べた。選挙戦で共闘し、副大統領選を同様に圧勝したドゥテルテ氏の長女サラ氏(43)を教育相に任命する考えも明らかにした。記者の質問は受け付けなかった。
 外交路線について、マルコス氏は選挙前「ドゥテルテ氏の対中政策が唯一の選択肢」と語り、踏襲する考えだ。ドゥテルテ氏は領有権争いのある南シナ海で、中国船に再三の威圧的な行動を受けても軋轢を避け、経済支援や投資呼び込みなど実利を優先させた。マルコス氏が国内の不満を抑え、こうした立ち回りができるかが課題となる。12日、駐フィリピン中国大使は「両国関係はより深くなり、両国民に利益をもたらすと期待する」と祝福した。
 同盟関係にある米国とは、強権的な麻薬犯罪対策による人権侵害が問題視され疎遠となってきた。マルコス氏も、父の独裁政権時代の人権侵害などによって米国で約20億ドルの賠償判決が出たのを無視している経緯があり微妙な立場だが、バイデン米大統領は11日、協力関係を「楽しみにしている」と電話で伝えた。

関連キーワード


おすすめ情報

国際の新着

記事一覧