高齢ドライバーに免許更新時の技能検査義務付け 改正道交法 混雑緩和へ神奈川県警模索

2022年5月13日 07時38分
 一定の違反をした七十五歳以上のドライバーに、免許更新時の運転技能検査を義務付ける改正道交法が十三日、施行された。神奈川県内では高齢ドライバーの免許更新手続きの待ち日数の長期化が問題となっており、新たな検査の追加で状況の悪化も懸念される。県警は事故防止と手続きの混雑緩和の両立を目指し、対応を模索している。(酒井翔平)
 免許更新時の高齢者講習と認知機能検査の県内の待ち日数は、二〇二〇年十二月末時点で平均約百五十四日と、全国で最長だった。状況改善のため、県警は専門部署を設置するなどし、一年後に約八十九日まで改善した。今年四月から専門部署に電話対応専従の職員を新たに配置し、自動車販売店でも認知機能検査を受けられるようにするなど、対策を進めている。
 ただ、今回の改正法施行で運転技能検査が追加されたため、ある幹部は「更新手続きが増え、再び混雑が深刻化するかもしれない」と不安をにじませる。
 今後も対象者の増加が見込まれる。県警によると、県内の七十五歳以上のドライバーは年々増加傾向にあり、昨年は三十万三千百十二人だった。今年から団塊の世代が七十五歳を迎え始め、年間で三万人前後増加するとみられる。県警幹部は「高齢ドライバーは増える一方だが、対応する警察官を増やすのは限界がある。限られた人員で何とかしていくしかない」と吐露した。
 運転技能検査は、県内では運転免許センター(横浜市旭区)で受けられ、二十三日から開始予定。一日最大五十四人が受検できる。

◆「安全運転 再確認して」 一日免許本部長 寺尾聡さん

 改正道交法の施行を前に、県警は十二日、高齢ドライバーの事故防止のイベントを横浜市旭区の運転免許センターで開いた。一日運転免許本部長の委嘱を受けた市出身の歌手寺尾聡さん(74)=写真=がトークショーで、「幸せに生きることは安全に生きること。事故に遭わない、遭わせないよう十分気を付けて運転してほしい」と来場者に訴えた。
 今月七十五歳の誕生日を迎える寺尾さんは、ほぼ毎日車を運転しているという。一定の違反歴がある七十五歳以上のドライバーを対象にした運転技能検査の義務化を盛り込んだ改正道交法にも触れ、「住んでいる地域によっては運転せざるを得ない人もいる。検査を、安全運転の仕方を再確認する機会にしてほしい」と語った。(酒井翔平)

関連キーワード


おすすめ情報

神奈川の新着

記事一覧