「毎日の虐待、限界だった」 野田女児死亡 母親出廷、暴行証言

2020年2月27日 02時00分
 千葉県野田市の小学四年栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=を虐待し、死なせたとして傷害致死罪などに問われた父親勇一郎被告(42)の裁判員裁判が二十六日、千葉地裁であり、心愛さんの母親(33)への検察側による証人尋問が行われた。母親は被告による具体的な暴行の様子を明かすとともに「毎日のように虐待する姿を見て限界だった」と証言した。
 母親は、勇一郎被告が一部否認している二〇一八年末から一九年初めにかけての暴行について語った。十二月三十日に風呂場でドンと音が聞こえ、見に行くと「まぶたが腫れ、ボクシングをしたようだった」と説明。元日の午前中には一時間ほどスクワットをさせられ、心愛さんは動けなくなったという。
 そして「命が危ないと思った」と感じ、アパートを出て近くの交番に行こうとしたが「行けなかった。心愛と次女を残して心配で戻った」と述べた。一月三日には、ぬれた状態でぐったりしていた心愛さんを母親が風呂に入れたが「意識がもうろうとして、時々湯船に沈みそうになっていた」と振り返った。
 心愛さんは一七年十一月、県柏児童相談所に一時保護された。翌月に父方の祖父母宅で生活することを条件に保護は解除されたが、被告らは一八年三月から九月まで、児相の許可なく自宅アパートに連れ帰っていた。
 同年夏ごろから、心愛さんの体にあざや傷が目立つようになり「また児相に保護されると思い、学校を休ませていた」という。母親は、この時期には虐待の認識はあったが「勇一郎の支配が強いため」助けることができなかったという。
 証人尋問は、別室で母親が証言し、法廷に映像と音声が流れるビデオリンク方式で行われた。昨年六月の自身の公判では、か細い声で受け答えしていた母親は、この日は比較的はっきりとした口調で証言。被告に同調して虐待を止めなかった理由を問われると「次女の世話もあり限界でした」と声を震わせた。
 母親は、勇一郎被告の暴行を止めなかったとして傷害ほう助罪に問われ、懲役二年六月、保護観察付き執行猶予五年の判決が確定している。

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