「基地のない平和な島」遠く…県民らの思いは 沖縄復帰50年、米軍集中いまなお

2022年5月14日 06時00分

市街地にある米軍普天間飛行場に配備された海兵隊の輸送機MV22オスプレイ部隊

 沖縄の本土復帰から15日で50年。米軍基地の集中は変わらず、普天間ふてんま飛行場(沖縄県宜野湾ぎのわん市)移設計画に伴う名護市辺野古へのこ新基地建設への反発も強い。復帰当時を知る人や、基地問題に取り組んできた人たちに思いを聞いた。(山口哲人、原昌志、村上一樹)

建議書の理念を語る平良亀之助氏=那覇市で

◆安保優先で負担さらに

 琉球政府元職員の平良亀之助さん(85)
 屋良やら朝苗ちょうびょう行政主席が本土復帰の際に県民の要望をまとめた「復帰措置に関する建議書」の柱は「基地のない平和の島の構築」。初代県知事に就いた屋良さんの時代からずっと生きている。でも、沖縄の基地負担は、軽減どころかもっとかぶさってきている。
 政府は台湾有事をあおり、先島諸島などに自衛隊基地の整備を進めている。沖縄が標的になるのは火を見るより明らかで、米軍基地も自衛隊基地も災いのもとでしかない。本土は、憲法体制なのに沖縄は50年たっても全てにおいて安保優先の状況。沖縄をアジアと交流する平和の島にする、それが僕たちの願いです。

◆鳴り響く爆音、想像できますか

沖縄県の米軍基地負担について説明する翁長雄治県議=那覇市で

 故・翁長雄志おながたけし前沖縄県知事の次男で同県議の雄治さん(34)
 沖縄では米軍嘉手納かでな基地(嘉手納町など)や普天間飛行場から日夜、本土の人が想像できない爆音が鳴り響く。体育の授業中なら耳がおかしくなるぐらいの音。(普天間飛行場に隣接する)普天間第二小学校では、上空に米軍機が飛ぶと児童は「逃げろ」と言われる。こんな子どもが日本のどこにいるのか。
 秋田県への(地上配備型迎撃システム)イージス・アショア配備は断念し、佐賀空港へのオスプレイ配備も地元の反対で頓挫。沖縄では「気持ちは分かった。でも辺野古新基地は造る」と。こうやって沖縄はずっと諦めさせられている。諦めさせる政治で良いのか、自民党国会議員の皆さん、2年くらい普天間や嘉手納の周りに住み、考えてください。

◆絶えぬ事件事故、日本政府に不満

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代さん(82)
 米側や日本政府は沖縄の米兵の犯罪率は下がっており、沖縄県民の犯罪率よりも低いと主張するが、まやかし。駐留がなければそもそも米兵犯罪は発生しない。犯罪被害をなくすには基地を減らすしかない。
 いまウクライナでロシアによるレイプや略奪などが報じられているが、77年前、沖縄でも同じことがあった。人々が死体を踏み付けながら逃げざるを得なかった戦場があった。軍の本質は残虐行為を伴うものだ。それが沖縄に集中していることをあらためて問い直すべきだ。
 旧民主党政権で普天間飛行場の県外移設を断念した鳩山由紀夫元首相(75)
 「最低でも県外」という気持ちは今も変わりない。いまだに在日米軍専用施設の7割が沖縄に置かれており、復帰50年を祝うような環境になってない。辺野古移設は今こそ政府も考えを改めるべきだ。
 辺野古新基地建設に反対した元名護市長の稲嶺いなみね進さん(76)
 鳩山氏の発言を覆したのは、結局は国民世論。日本国全体が米軍基地を沖縄に置くことを黙認している。そのことによって日本の国、国民が守られていると思っている。辺野古の埋め立ては続いているが、軟弱地盤により、仮に工事が終わっても使えない欠陥飛行場となるだろう。

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