命の尊厳 土で表現 陶芸家・岩国英子さん個展 外神田のアーツ千代田3331で開催中

2022年5月14日 06時45分

作品「とりわけ普通の人々」を前に「泥くさいものを作りたい」と話す陶芸家の岩国英子さん=いずれも千代田区外神田のアーツ千代田3331で

 福井県越前市の山あいで同性パートナーと五人の子を育て、創作に打ち込んできた神奈川県出身の陶芸家、岩国英子さん(74)の個展「あの空の色を知っている」が、千代田区のアーツ千代田3331(外神田六)で開かれている。四十数年にわたる創作活動の集大成で、命の尊厳や平和をテーマにした陶彫作品など約二百点を展示販売している。二十二日まで。入場無料。(押川恵理子)
 会場の入り口に展示した作品「点滴ください」は、鉄格子越しに悲しげな表情を浮かべた女性を表現した。昨年、名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で収容中に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=を悼んだ。この作品の収益は支援団体に寄付する。

作品「点滴ください」

 作品「とりわけ普通の人々」は笑っていたり、目をつぶっていたりする顔の置物九点を一つの棚に展示した。顔のモデルは性的少数者の友人や、何度も旅した中南米で出会った人々ら。作品名には、市井の人々の暮らしこそ大切という思いを込めた。「肩書があったり、偉業を成し遂げた人だけが素晴らしいわけじゃない。『普通』に価値を見いだしたい」と岩国さん。
 あえて形をゆがませた花器や色鮮やかな食器も並ぶ。岩国さんは神奈川県鎌倉市職員だった二十代の時に人生の伴侶となる米谷恵子さん(70)と出会った。三十歳の時に福井県へ移住。同県窯業試験場で陶芸の基礎を学び、中南米の陶芸から刺激を受けた。自宅に窯を築いて四十四年。「泥くささ、魂を感じるような陶芸に近づいてきた」と話した。
 二十一日午後三時から会場で米谷さんとのトークイベントを開く。二人で歩んできた人生や陶芸への思いなどを語る。参加費二千円で要予約。問い合わせは岩国さん=電090(9769)6056=へ。

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