不正生む特権は要らない

2022年5月14日 07時39分
 ニュースを聞き、耳を疑いました。衆参両院で議員を務めたご仁が、在職当時に支給されていた期限切れのJR無料パスを使い、東海道新幹線=写真はグリーン車内部=のグリーン券をだまし取った疑いで逮捕された事件です。
 議員特権にどっぷり漬かっていた当時が忘れられなかったのでしょうか。論説室の議論でも「唖然(あぜん)とするばかり」「言語道断」との批判が相次ぎ、読者から「議員だからといって厚遇されすぎだ」「議員の無料パスなど時代錯誤も甚だしい。あしき習慣は廃止すべきだ」などと、怒りの声が届いています。
 元議員の詐取は論外ですが国会議員の無料パスが本当に必要なのか、この際、考えなければなりません。
 東京新聞は論説室内での議論を経て、十三日社説「JR議員パス 廃止含めて見直し急げ」で、「この際、無料パスは廃止して交通費は文通費(文書通信交通滞在費)からの支出に切り替え、文通費自体も実費精算として使途を公開すべきだ。今国会での抜本的な是正を求めたい」と訴えました。
 国会議員は在職中、毎月百万円の文通費を受け取っています。名称は「調査研究広報滞在費」に変更されましたが議員活動に必要ならここから支出すればいいはずです。
 無料パスを使って行き来して、文通費は何に使われているか分からず、余っても返さない。こんな「二重取り」はとても理解できません。
 無料パスは使用目的を「職務の遂行に資するため」と定められていますが、これまでも目的外の私的使用が問題になってきました。無料でグリーン車にも乗車できるパスが特権意識を招き、議員を退いた後も特権が忘れられずに法を犯すのであれば、廃止した方が世のためです。
 国民の代表たる議員の活動や公務で出張する経費を税金で賄うことに異論ありませんが、透明化はすべきです。無料パスは廃止して交通費は文通費の枠内で実費精算する。こんなことすらできないのなら、国会全体が特権意識に染まっていると、口を極めて言わざるを得ません。 (と)

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