<福島2020>(4)開成山プール@郡山市 一つ屋根の下、夢つなぐ

2020年2月25日 16時00分

オリンピアンら多くの水泳関係者の思いが詰まったプールには、しぶきを上げて泳ぐ少年少女スイマーたちの姿があった=福島県郡山市で

 小雪が舞う福島県郡山市。かじかむ手をこすりながら入り口の自動ドアを通ると、暖かい空気に包まれた。二〇一七年に誕生した郡山しんきん開成山プールは、若きスイマーを育てようとする温かい思いも込められている。
 「泳ぎたい、でも…」。福島第一原発事故後、水泳に励んでいた県内の少年少女たちは、放射性物質を恐れて屋外プールで泳ぐのをためらった。そんな中、市と国の復興予算により、五十メートルのコースを擁する県内初の公設屋内プールが建てられた。
 オリンピアンも子どもたちを支える。シドニー五輪代表の萩原智子さん(39)は六年前から福島県で大会を開催。好記録の子どもを選抜した合宿も行う。
 「福島から世界へ。子どもたちが夢を目指す力を地元の元気につなげたい」と萩原さん。大会のテーマも「復興」から「強化」へと変わりつつある。
 思いを胸にしぶきを上げて泳ぐ子どもたち。県内の水泳競技者数も近年、増加に転じた。未来のオリンピアンが生まれる日も、そう遠くない。 (写真と文・岩本旭人)

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧