アメリカ、ASEANとの関係を格上げ 中国傾斜食い止め狙う

2022年5月14日 21時55分
米ワシントンで開かれた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議(AP)

米ワシントンで開かれた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議(AP)

  【ワシントン=吉田通夫、バンコク=岩崎健太朗】米ワシントンで開かれていた米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議は13日、11月の首脳会議で双方の関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げするとした共同声明を発表した。中国は昨年に同様の格上げをしており、バイデン米政権はASEANのさらなる中国傾斜を食い止めるため、関係強化の意思を示した形だ。

◆空席の大使を任命

 米国とASEANとの関係は米国のトランプ前政権下で疎遠になっており、バイデン政権は再構築を急いでいる。6年ぶりとなった米国での首脳会議に合わせ、空席だったASEAN大使を任命した。
 共同声明では、ロシアによるウクライナ侵攻について、ロシアの名指しを避けつつ即時停戦や平和的解決を求めた。中国の影響力が増す南シナ海問題では「国際法に基づく紛争の平和的解決を追求する」と従来の表現にとどまった。中立的な立場を重視するASEANに配慮したとみられる。

◆対ロ制裁では強調しない構え

 ASEAN各国は大国間の争いに巻き込まれることを避け、双方から経済的な利益を得たいのが本音だ。ウクライナ問題でも、旧ソ連時代からロシアと関係が深い共産主義国ベトナムなどにとどまらず、大部分の加盟国が米欧の制裁とは一線を画し、協調しない構えをみせている。一部加盟国はロシアからの燃料輸入を検討しているとされる。
 共同声明はほかに、ミサイル発射を続ける北朝鮮に国連安保理決議の順守を求め、国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーについては「危機を深く憂慮する」と言及した。

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