ミャンマー混迷、打開見えず アメリカはASEAN主導の解決支持も、議長国カンボジアは国軍追認目立つ
2022年5月14日 23時21分
【バンコク=岩崎健太朗】米ワシントンで13日まで開かれた、米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との特別首脳会議では、国軍クーデター後の混乱が続くミャンマー情勢も議題となり、米国はASEAN主導の平和的解決や人道支援への支持をあらためて示した。しかし議長国カンボジアには国軍支配を追認する姿勢が目立ち、ミャンマー民主派の挙国一致政府(NUG)は米国などに関与強化を働き掛けている。
◆人道支援協議に国連特使参加できず
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、クーデター以降に発生したミャンマーの国内避難民は50万人以上。ミャンマーメディアによると、カンボジアは今月上旬、ASEANによる人道支援の具体化に向けた協議を主催したが、国軍の代表が招かれた一方、国連のミャンマー担当特使や、NUG関係者は参加できなかった。
協議では、国軍の統治機関を介して地方の避難民に支援物資を供給する案が検討されたが、民主派や少数民族勢力は国軍が人道支援を「政治的武器」として利用することを懸念する。「必要としている人に支援が届かないだけでなく、反対勢力への締め付けにつながる」との批判が出ている。
◆民主派は米政府関係者と対面
マレーシアのサイフディン外相は「支援を実効性あるものにするには、NUGとの非公式な関係構築も検討すべきだ」と主張し、国軍が「テロ組織」とみなすNUGの外相ジンマーアウン氏らと個別に会談。ジンマーアウン氏は国際社会の継続的な関与を要請しており、今回の特別首脳会議に合わせてワシントン入りした。シャーマン米国務副長官と対面したほか、複数のASEAN外相らとの接触情報もある。
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