展示物 触って楽しんで 視覚障害者向け取り組み 古代オリエント博物館

2022年5月15日 07時05分

紀元前にイランで作られた「コブ牛型土器」のレプリカを触って鑑賞する視覚障害者=豊島区東池袋3の古代オリエント博物館で

 西アジアやシリア、エジプト地域の貴重な史料を紹介している古代オリエント博物館(豊島区東池袋三、サンシャインシティ文化会館ビル七階)で、視覚障害者に展示を楽しんでもらう取り組みが進んでいる。「ユニバーサルな博物館」として「子どもから大人、障害者、誰でも楽しめる展示にしたい」(同館研究員)と試行錯誤を重ねている。(長竹祐子)
 「触ってみてください」。先月末、博物館であった視覚障害者向け解説のリハーサル。協力した視覚障害者らが凹凸のある地図を手で触れて古代エジプトやメソポタミアのあった場所を確認した。シリアで出土した四十万年前の石器「ハンドアックス」やメソポタミアの円筒印章などの実物や複製を手に取り「結構重いね」などと感想を話した。
 ユニバーサル博物館の構想は五年前からあり、視覚障害者に関わる人たちに聞き取りなどを重ねてきた。展示解説のリハーサルは三回目。区盲人福祉協会や筑波大付属視覚特別支援学校の関係者が協力している。
 この日は障害者が研究員らの解説を受けて館内を巡り、ギリシャ神話の英雄「ヘラクレス胸像」など貴重な展示物に触れて鑑賞。同館スタッフらは障害者を誘導する動きを確認した。今月八日にあった視覚障害者向けツアーに生かされた。
 区盲人福祉協会の武井悦子会長(66)は「触ると想像が付きやすく理解が深まる。視覚障害者にも楽しめる場所があることを広く知らせたい」と評価した。特別支援学校の佐藤信行さんは「各地で同様の取り組みは増えてきているが、さらに機運を高められれば良い」と期待していた。
 同館では十五日まで触って楽しむ展示がある特別企画「オリ博スペシャルウィークおもしろオリエント!」を開催。土器の復元パズルや、箱に入った展示品を触って当てるコーナーなどがある。視覚障害者対象の展示品解説イベントは定期開催に向け準備している。問い合わせは同館=電03(3989)3491=へ。

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