<記者だより>真鶴町第三者委員会の答え

2022年5月15日 07時06分
 真鶴町の選挙人名簿流出問題で、町の第三者委員会の報告書にやや驚いた。国や自治体の第三者委は時に行政寄りとみられることもあるが、松本一彦町長からの諮問に町長自身への刑事告発を答申、報告書の全文をネットで公開したのだ。文面に黒塗り部分もない。
 しかも、前例が少ない公職選挙法の職権乱用による選挙の自由妨害罪のほか、現金ではない名簿の提供も事後買収に問われるべきだと踏み込んでいる。「いろんな刑罰法規を検討し、これに当たるだろう」と理論的に詰めた結果という。
 調査で名前や住所、生年月日、性別を記した閲覧用ではなく、知事選の投票、棄権情報が分かる非公開名簿の流出と判明。投票しそうな人を事前に把握でき、町長選や町議選を有利に戦える。委員会は「不正コピーというより、選挙の公正を害し民主主義の基礎を掘り崩す問題」と指摘、町長は自身の告発を決めた。
 委員長の今村哲也関東学院大教授は会見で「提出先は町長だが、町民に向け分かりやすくまとめた。報告書の目指すところは町民」と述べた。第三者委のあるべき姿と思う。(西岡聖雄)

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