放置竹林再生へ取り組み 学生ら企画で利活用考える催し 間伐、工作など体験をSNSで発信

2022年5月15日 07時07分

群生した孟宗竹(もうそうちく)をのこぎりで一本一本切り倒すイベントに参加した学生=長柄町で

 日本有数の竹林面積を持つ県内の「放置竹林」が問題になる中、学生が実際に竹林整備を体験して竹害の状況を学び、竹材の利活用について考えるイベントが「千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト」の一環として行われた。参加した学生は、竹について伝える子ども向け教材を作ろうと動きだすなど、荒廃した竹林を再生する取り組みが動き始めた。
 竹林は、昔は竹材やタケノコを得るために活用されていたが、プラスチックなどの代替材や輸入品のタケノコが出回るようになって需要が減り、整備する人材の高齢化が進むと竹林が放置され、良質な竹材やタケノコが収穫されなくなった。
 また、繁殖力が非常に強いため、森林や里山を侵食して生態系を単純化するほか、土壌保水力が低いために起きる崖崩れや枯れ材の海への流出など、さまざまな「竹害」が発生するようになり、全国で大きな問題となっている。
 中でも、千葉県は全国七位(令和二年)の竹林面積があり、竹害に悩む地域もある。このため、千葉大学環境ISO学生委員会は、京葉銀行とNPO法人「竹もりの里」、一般社団法人「もりびと」と協力して半年にわたり、連続イベントを企画した。
 昨年十月には『竹を知る』座学会を開き、専門家から竹害の現状と影響、考案されている竹材のビジネス化など活用方法を学んだ。同月下旬と十二月には長柄町の竹林で竹の間伐、清掃活動、竹炭・竹粉づくりなどを体験した。

竹を利用したスマホスピーカー

 今年四月には、竹林の清掃活動とタケノコ掘り、間伐した竹を活用してスマホスピーカーなどを作ったり、旬のタケノコご飯を堪能するなど、竹の利活用の可能性を実感した。
 参加した学生二十四人は、体験をそれぞれのSNSで発信。竹害の解決策や竹材の活用方法、広め方についてリポートにまとめた。ある学生は「自分たちにできることはないか」と考え、より多くの人に竹害や竹利用について知ってもらおうと「竹について伝える子ども向けの教材を作成しよう」と動きだした。

須藤凜之助さん


 学生のリーダーを務めた千葉大法政経学部三年の須藤凜之助(りんのすけ)さん(20)は「荒廃した放置竹林を最初に見たときは衝撃で、対処の必要性を強く感じた」と話す。のこぎりで一本一本切り倒して運ぶ作業は大変で、整備にかかる労力の大きさを実感。整備が終わって日が差し込んだ竹林を見て「これからも竹害による環境問題を減らすための活動を続けたい」と振り返った。

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